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1998 年度 実績報告書

アジアにおける地域と地域間交流の史的研究

研究課題

研究課題/領域番号 09410098
研究機関広島大学

研究代表者

植村 泰夫  広島大学, 文学部, 教授 (40127056)

研究分担者 利光 正文  別府大学, 文学部, 教授 (20105563)
松重 充浩  広島女子大学, 国際文化学部, 助教授 (00275380)
水羽 信男  広島大学, 総合科学部, 助教授 (50229712)
曽田 三郎  広島大学, 文学部, 助教授 (40106779)
寺地 遵  広島大学, 文学部, 教授 (60033487)
キーワード世界市場 / マドゥラ島 / ジャワ東端地方 / 輸出向けコーヒー / 出稼ぎ労働者 / マドゥラ人商人 / 米流通 / 地域間交流
研究概要

20世紀初頭のジャワ・マドゥラ各地域の経済動向は、輸出作物栽培及びその発展の結果不足するようになった米輸入などを通して世界市場の動向によって強く規定される構造を持っていたが、その影響はマドウラ島など輸出向け産業が存在しない地域においても地域間の経済関係を通じて現れた。マドゥラ島は近接するジャワ東端地方と密接な関係と持っていたが、先ず、輸出向けコーヒーの価格が良好で東端地方の農園が生産を拡大する場合には、そこへの出稼ぎ労働者が増加した。彼等はシーズンが終わると、現金と賃金の一部として与えられた米を携えて帰っていくが、産業に乏しいマドゥラ経済にとってその意義は大かった。また、東端地方における糖業の拡大はそこに移住するマドゥラ人を増加させ、この結果、両地域間に人的なネットワークが形成され、それを利用してマドゥラ人商人がしばしば東端地方へ米取引のためにやってくるようになった。当時のジャワでは既に現在とほぼ同様の米余り地域、米不足地域のパターンが形成されており、華人商人や現地人商人の手になる米流通が盛んだったが、彼等が扱うジャワ内地米価格は輸入米価格と密接な関連があった。したがって恒常的に米が不足し東端地方からの輸入が必要なマドゥラ島では、それを通じて世界の穀物市場の動向から間接的に影響を受けることになった。このように、一見すると世界市場の動向とは無関係のように見える地域でも、地域間交流を媒介として影響を受けざるを得ないのである。地域間交流を考える場合、このような外部世界との重層的関係をも考慮に入れることが重要であり、今後、この点についてさらに様々なケースを具体的に検討する必要があろう。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] 植村泰夫: "1910年代末〜20年食糧問題とジャワ社会" 東洋史研究. 57・3. 1-34 (1998)

  • [文献書誌] 植村泰夫: "20世紀初頭ジャワ・マドゥラの稲米流通をめぐって" 広島東洋史学報. 3号. 1-19 (1998)

  • [文献書誌] 寺地遵: "方国珍政権の性格" 史学研究. 223号. 22-41 (1999)

  • [文献書誌] 水羽信男: "中国革命の知識人-平野正氏の研究を手がかりとして" 広島東洋史学報. 3号. 53-71 (1998)

  • [文献書誌] 松重充浩: "辛亥革命と吉林省政局" 近代中国研究彙報. 21号. 1-19 (1999)

  • [文献書誌] 金子肇: "中華民国の国家統合と政治的合意形成" 現代中国研究. 3号. 2-17 (1998)

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公開日: 1999-12-13   更新日: 2016-04-21  

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