研究課題/領域番号 |
09410108
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
工藤 元男 早稲田大学, 文学部, 助教授 (60225167)
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研究分担者 |
小澤 正人 成城大学, 短期大学部, 講師 (00257205)
岡内 三眞 早稲田大学, 文学部, 教授 (90093210)
菊池 徹夫 早稲田大学, 文学部, 教授 (00147943)
吉田 順一 早稲田大学, 文学部, 教授 (70063716)
福井 重雅 早稲田大学, 文学部, 教授 (30063639)
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キーワード | 四川 / 羌族 / 民族走廊 / 羌戈大戦 / 成都平原 / 新石器時代城址遺跡 / 宝〓遺跡 / 基壇 |
研究概要 |
1997年8月、ほぼ1ヶ月間四川省の岷江上流域・大渡河上流域において四川聯合大学と協力して少数民族の羌族・嘉絨チベット族に関する調査を行った。その目的は、彼らの祖先がかつて甘粛省・青海省から四川西北に南下し、成都平原に下り、さらに雲南・貴州の方へ遷徙していった所謂“民族走廊"を遡上して、そのルート上に現在どのような伝承や遺物・遺跡が残存しているかを確認するためである。具体的な調査項目は、巫師に伝承されている羌戈大戦の伝承・白石信仰・石棺墓・〓楼・火葬の葬俗等であるが、これらの調査は成都平原で発掘された宝〓遺跡を中心とするいくつかの新石器時代の城址遺跡の造営者との関係を探るためである。この調査で撮ったスライドやビデオ等の映像資料はデータベース化し、すでに立ち上げている早稲田大学文学部のホームページ上で公開する準備を進めている。 考古調査に関しては、97年9月中旬に四川聯合大学・成都市文物考古工作隊の共同発掘関係者6人を招聘し、早稲田大学大隈小講堂で宝〓遺跡を中心とする成都平原の考古学の成果に関する共同報告会を行った。この席上で中国側は、日本の一部の研究機関が“基壇"と報道している宝〓遺跡の土盛りが後漢時代の墳墓であることを正式に表明した。なお宝〓遺跡に関する発掘報告書は日中共同で98年度中に刊行する予定である。
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