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2000 年度 実績報告書

四川省成都盆地における巴蜀文化の研究

研究課題

研究課題/領域番号 09410108
研究機関早稲田大学

研究代表者

工藤 元男  早稲田大学, 文学部, 教授 (60225167)

研究分担者 吉田 順一  早稲田大学, 文学部, 教授 (70063716)
菊池 徹夫  早稲田大学, 文学部, 教授 (00147943)
福井 重雅  早稲田大学, 文学部, 教授 (30063639)
小澤 正人  成城大学短期大学部, 助教授 (00257205)
大脇 潔  近畿大学, 文芸学部, 教授 (40000509)
キーワード宝〓遺跡 / 芒城遺跡 / 魚鳧城遺跡 / 宝〓文化 / 三星堆文化 / 十二橋文化 / 上汪家拐文化 / 羌戈大戦
研究概要

今年度は、最終年度と言うこともあり、これまでの個別的な諸研究を総合し、報告書にまとめる準備を主とした。
考古方面では、土器編年の視点から巴蜀文化の起源を検討した。以下の内容は大脇潔の報告による。成都平原における先秦時代の土器編年は、1995年〜96年に発見された新津県宝〓遺跡を契機として、都江堰芒城遺跡・〓県古城遺跡・温江県魚鳧城遺跡など相前後して発見された新石器時代の城址遺跡の発掘調査によって、およそ2500年間にわたる編年の枠組みが可能となった。それによると、その序列は新石器時代晩期の「宝〓文化」、殷代にほぼ並行する「三星堆文化」、殷代末から周・春秋前期にまたがる「十二橋文化」、戦国時代の「上汪家拐文化」の順となる。その実年代は、宝〓文化は4期6段階に編年され、長期的に見積もって前2700年〜前1700年の間である。一方、重慶を中心とする川東地域では宝〓文化に並行する「魏家梁子文化」がある。この二つの土器文化圏はそれぞれ後の蜀と巴の範囲に相当するので、その文化の原型をこのころまで遡ることがほぼ想定される。
民族方面では、青海省一帯から南下し、岷江上流域に定住した古羌人と巴蜀文化の関係を検討した。以下の内容は工藤元男の報告による。彼らの移動が巴蜀文化の形成にどのような影響を与えたかは、具体的にはまだ不明な部分が多い。しかしさまざまな痕跡は指摘できる。そこで彼らの移動神話である《羌戈大戦》を、他の少数民族の場合と比較検討した。それによれば、彼らの神話ではその始祖神話がまったく中原の権威(始祖を中原の帝王とするなど)に求めていないことがわかり、したがってその原型はきわめて古いことが推測される。換言すれば、中華的世界が成立する以前に行われた移動だったことが推測され、それは史籍の記述によれば、羌人の最初の大規模な移動が戦国中期であることと符合する。したがって、そのような移動が考古学的にどこまで遡れるのかが、今後の大きな課題となる。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 工藤元男: 『NHKスペシャル 四大文明[中国]』(鶴間和幸 編、NHK出版). 162-181 (2000)

  • [文献書誌] 盧丁,工藤元男主編: "羌族歴史文化研究"四川人民出版社. 317 (2000)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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