研究課題/領域番号 |
09410115
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研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
岡本 恵徳 琉球大学, 法文学部, 教授 (70044831)
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研究分担者 |
浦田 義和 佐賀大学, 教授 (00151944)
関根 賢司 樟蔭女子短期大学, 教授 (60088953)
大胡 太郎 琉球大学, 法文学部, 助教授 (30253941)
玉城 政美 琉球大学, 法文学部, 教授 (30101455)
仲程 昌徳 琉球大学, 法文学部, 教授 (50044863)
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キーワード | 近代沖縄文学 / 俳句 / 漢詩 / 琉歌 / 短歌 / 琉球文学 / 比較ジャンル論的研究 |
研究概要 |
本研究は、明治16年の琉球処分以降、沖縄の知識人たちがおこなってきた創作活動、特に、俳句と漢詩を中心にその資料の収集とデータベース化を行い、平成7、8年度におこなった科学研究費基盤研究(A)「近代沖縄の文学資料の収集・研究とデータベース化」(研究代表者岡本恵徳、平成7〜8年度)によって得られた短歌、琉歌など、ジャンルを超えた文学の比較研究の基礎的研究をおこなうとともに明治以前の伝統的琉歌や、漢詩、和歌などとの比較もおこなうものである。本研究では、短歌や俳句(日本語)、琉歌(琉球語)、漢詩(中国語)という、ことなる表現手段による言語作品を対象にするものである。 沖縄で明治・大正期(明治31年〜大正7年)に発行された『沖縄毎日新聞』『琉球新報』のうち『沖縄毎日』は全資料を、『琉球新報』は明治31年〜明治34年までの新聞に掲載された漢詩の収集を中心に、俳句の収集と短歌データベースの校正等をおこなった。データベース化に際して、(1)本文、(2)作者名、(3)結社名、(4)題、題詠、(5)当座・兼題、(6)選者、点者、(7)判定・評価、(8)開催日、(9)掲載紙、(10)掲載日、(11)掲載号、(12)コラム名、(13)備考のインデックスを付し、さまざまな観点から検索できるようにした。これは、先におこなった短歌や琉歌と共通のものであり、これによって俳句、漢詩、短歌、琉歌の比較研究が容易になった。また、漢詩や俳句のばあい、唐名や雅号があり、作者名のほかに氏名(本名)を記す欄をあらたに設定した。これまでの調査で同一作者が漢詩や琉歌や短歌、俳句を創作していることがわかった。漢詩のばあいには、その形式がわかるようにするために詩型を記す欄を追加した。これまでに入力した漢詩は約千五百首で、これをもとに推計すると、明治大正期に発行された新聞掲載の漢詩の数は、五千首以上になる。これは短歌や琉歌の約半分だが、比較研究をおこなうためには十分な量が確保できる数字だとかんがえる。
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