研究分担者 |
須川 英徳 横浜国立大学, 教育人間科学部, 助教授 (80272798)
白水 紀子 横浜国立大学, 教育人間科学部, 助教授 (10196628)
村崎 恭子 横浜国立大学, 教育人間科学部, 教授 (10014515)
任都栗 新 東京学芸大学, 留学生センター, 助教授 (70208255)
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研究概要 |
1,日本語、中国語、朝鮮語というそれぞれの言語体系において、翻訳によって置き換えることのできない人名、地名など固有名詞に使用される漢字の問題が鮮明になった。この観点から、日本と中国における人名、地名データ、韓国における人名データをかなり大量に蒐集し、それが相互の情報交換用漢字コード体系で表現可能か否かの分析を行い、互換性について重要な情報を得ることができた。この研究の成果はJIS第三、第四水準漢字の確定作業に反映された。 2,日本と中国の中学校の国語教科書に用いられる漢字の分析を行った結果、それぞれの国の漢字政策や教育政策の違いを反映して、さまざまな問題が存在することが明確になった。今後、日本と中国で、学校教育や外国人のための漢字教育の進め方について、共同で研究する必要のあるとの認識を深めた。 3,漢字の使用頻度の統計分析を行うなかで、キーワードを探す前段階として漢字に着目するという新しい分析方法についての知見を得た。これはアルファベットなど表音文字とは異なる漢字の特性に由来するものであり、今後、特殊な頻度を示す漢字→それを含む特殊語彙を手がかりにして各種文献の定量分析が可能となる。もちろんこの研究が有効になるためには十分なデータがあってはじめて可能である。 4,日本語でも中国語でも実際に使用されている漢字の種類(字種)は一般に思われているほど多くはなく、字形の違いを除外すれば共通で使用されているものが非常に多いことが判明した。この事実を踏まえ、日本語、中国語、韓国・朝鮮語における漢字文化の共同研究の重要性と必要性がいっそう明確になった。
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