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1999 年度 実績報告書

ドイツ・ロマン派の超域言語論的研究

研究課題

研究課題/領域番号 09410123
研究機関東京大学

研究代表者

臼井 隆一郎  東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (90092668)

研究分担者 川中子 義勝  東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (60145274)
鍛冶 哲郎  東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (30135818)
宮下 志朗  東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (90138610)
青木 誠之  東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (20011356)
湯浅 博雄  東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (30130842)
キーワードドイツ・ロマン主義 / 象徴 / 神話 / 国民国家 / クロイツァー / ミュンヒェン宇宙論派 / 初期ロマン派 / 日本浪曼派
研究概要

科研最終年度の平成11年度は、ゲルマン神話関係の研究を進める一方、日本に焦点を合わせて研究会を重ねた。とくに学生の参加を奨励しつつ開いた月例研究会で重視したのは、日本浪蔓派とそれに前後する日本の文芸思潮であった。志賀直哉や川端康成や横光利一などに代表される白樺派や新感覚派などはヨーロッパの新ロマン主義的潮流に対応しているが、するとりわけ初期ロマン主義の影響の濃いのは日本浪蔓派である。ドイツ・ロマン主義はその核心においてナショナリズムを用意した思想運動であったが、特殊に日本的な美と日本国家の理想像の追求する日本浪蔓派がドイツ・ロマン主義の理論構築に多くを負っていることはなお深く追求されるべきテーマとして残っている。とりわけ、明治以降のナイション・ステイトの立ち上げと日清・日露の戦争を経て、やがて軍国化する日本において独自の論陣を展開した保田興重郎は深い問題を提示している。21世紀を「民族の時代」と考えるのが通例であるとすれば、そうした民族や国家や言語に関する言説を最初に成立させた存在として新たにドイツ・ロマン主義が問題になっている。民族という問題系と世界的普遍性という矛盾する問題系を併せ持ったドイツ・ロマン主義特有の問題構成を精密に見当してみる必要がある。現在、科研成果報告書を、世界の各地域に跨り、かつ本質的問題設定において相互に連関性のある論集としてまとめるべく努力している。

  • 研究成果

    (8件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (8件)

  • [文献書誌] 臼井隆一郎: "Symboliche Polaritat und Urerinnerung"Perspektiven der Lebensphilosophie. 75-95 (1999)

  • [文献書誌] 臼井隆一郎: "Die mediale Symbolik"東大総合文化研究科言語情報科学紀要. 7号(印刷中). (2000)

  • [文献書誌] 鍛冶哲郎: "Kunst und Dichtung"東大総合文化研究科言語情報科学紀要. 6号. 15-25 (1999)

  • [文献書誌] 川中子義勝: "Johann Georg Hamann und der Kreis von Munster"ヘルダー研究. 5号. 85-105 (1999)

  • [文献書誌] 川中子義勝: "Sprache und Lieb bei Johann Georg Hamann"東大総合文化研究科超域文化紀要. 4号. 111-131 (1999)

  • [文献書誌] 工藤達也: "媒質と記憶"『言語態』. 4巻(印刷中). (2000)

  • [文献書誌] 湯浅博雄: "ランボー論"思潮社. 294 (1999)

  • [文献書誌] 藤井貞和: "詩の分析と物語状分析"若草書房. 431 (1999)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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