研究課題/領域番号 |
09410124
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
長縄 光夫 横浜国立大学, 教育人間科学部, 教授 (60068757)
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研究分担者 |
澤田 和彦 埼玉大学, 教養学部, 教授 (70162542)
左近 毅 大阪市立大学, 文学部, 教授 (50042586)
安井 亮平 早稲田大学, 文学部, 名誉教授 (90063635)
外川 継男 上智大学, 外国語学部, 教授 (10000663)
中村 喜和 共立女子大学, 国際文化学部, 教授 (40012356)
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キーワード | 亡命ロシア人 / 満州 / 白系ロシア人 / ハルビン / 来日ロシア人 |
研究概要 |
本研究は1917年のロシア革命の後に日本に移り住んだ、あるいは一時的に滞在した亡命ロシア人(スラブ人一般をも含む)の文化活動を主たる対象とする。日本に長期間滞在したロシア人や満州(中国東北部)の白系ロシア人もその対象とする。本研究の目的は、第一に亡命ロシア人を可能なかぎりリストアップしてその事跡を調査し、第二に文学、思想、宗教、教育、芸術など人文科学のあらゆる分野のみならず、日常生活の次元においてもこれらロシア人の影響がどのような形であらわれ、日本文化の発達にいかなる寄与をなしたか、を総合的に検討することである。 我々にとって何よりの急務は、亡命初期の事情を知る生存者を訪問して、その体験を聞き出すと同時に、彼らの人脈をたどることによって、亡命者に関する情報の幅を広げることである。従って今年度は、亡命ロシア人、その子孫や関係者の聞き取り調査に力点を置いた。具体的にはトルシチョ-フ(群馬)、ヴェセロヴゾ-ロワ(東京)、ベーシェル(東京)、桜木ゾ-ヤ(神戸)の各氏や日本人関係者、ハルビン出身者から聞き取り調査を行った。文献の基礎的調査も並行して行い、「来日ロシア人」の書誌作成の作業に着手した。 また日本の各地で同様の発掘作業を進めている在野の研究者たちや、来日中の外国人研究者とも連絡を密にとることによって情報量を豊かにしつつ、今後の包括的な研究への準備を進めた。そのために二か月に一度このような人々を招いて、東京で研究会を計6回もった。またウラジヴォストークの国際会議に参加して、極東地方のロシア人研究者と研究の交流を行った。さらにノヴォシビルスク、サハリン、オーストラリア在住の白系ロシア人に関する情報と資料を収集することができた。
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