研究課題/領域番号 |
09410127
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
猪口 弘之 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (10017593)
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研究分担者 |
大石 紀一郎 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教授 (30194070)
北川 東子 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教授 (40177829)
岡部 雄三 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (20116007)
麻生 建 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (80012524)
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キーワード | 文化的セルフ・イメージ / 文化理論 / 他者のイメージ / ドイツ性 / 教養理念 / 政治文化 / 宗教思想 / 文化批判 |
研究概要 |
本年度は、3.日本における「ドイツ・イメージ」の形成と展開、および4.ドイツにおける「日本イメージ」の形成と展開を主として扱った。 3に関して:猪口は(a)日本における民俗文化に関する言説と、ドイツの民俗学・民間説話研究との関連について、岡部は(b)近代日本の宗教思想の発展に対してドイツを中心とする神秘主義が及ぼした影響を考察する。麻生と北川は(c)日本における新カント派やハイデガーの受容過程と日本における「ドイツ・イメージ」の形成の関連について、昨年度に収集した資料の分析を行うとともに、大石とともにベルリン・フンボルト大学のH.シュネーデルバッハ教授(哲学)によるレビューに基づき、文化イメージの形成における哲学の機能についての方法論的考察を進めた。さらに麻生と大石は、(d)ドイツにおける市民的文化批判の受容をとくに大正期を中心に検討し、日本における「ドイツ・イメージ」の形成との関連について吟味した。 4に関して:猪口は(a)ドイツにおける文学的・宗教的な「日本イメージ」の形成と変化を、ダウテンダイ、カイザーリングなどの事例に即して分析し、岡部は(b)禅思想のドイツにおける受容を検討した。北川は、(c)K.ジンガーなとの日本文化論を考察した。大石はドイツにおける「文化的セルフ・イメージ」の現状について、パーダーボルン大学のR.シュレージアー教授(文化科学的人間学)からのレビューに基づいて、19世紀末から20世紀初頭のドイツにおける文化理論の展開について吟味した。 上記のように、海外旅費の有効な使用により、海外の研究者からレビューを受けることによって本研究のために必要な知見が得られた。また、資料収集・整理に必要な補助作業のために謝金を有効に活用している。
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