研究課題/領域番号 |
09410128
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
高村 忠明 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (10092256)
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研究分担者 |
林 文代 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (20139497)
宮下 志朗 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (90138610)
藤井 貞和 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (40134754)
小森 陽一 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (80153683)
石田 英敬 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (70212892)
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キーワード | メディア / 言語共同体 / 言語態 / クレオール / ファシズム / トランス・カルチャー |
研究概要 |
技術と記号の複合であるメディアが、言語や記号の共同体との関わりにおいていかに人間の文化や社会の次元を構成するか」という構成的な観点に基づく総合的な研究へと言語情報科学の観点からのメディアの共同研究を発展させることを目的とする本研究は第二年度を迎え、次のような研究実績を挙げることができた。 1) 基礎理論研究においては、「言語態」の理論の開発のために、ミシェル・フーコーの「ディスクール」理論との対照・比較研究が行われ、フランス国立図書館所蔵の未刊行資料に基づくフーコー理論資料の検討から、メディア理論と「ディスクール性」の問題との解明が進められた(石田)。さらに、活字メディア文化圏の生成と終焉をめぐる理論的パースペクティヴが西欧と日本の印刷文化の出現についての比較研究によってもたらされた(宮下)。 2) 応用調査研究としては、アメリカにおけるトランス・カルチャー現象とメディア文化の現状、および研究動向の研究会の開催(林)、オーストラリアにおける言語複合とメディアの関係の調査報告研究会の開催(エリス)、中国における映像メディア文化の現状分析(刈間)として実現された。 以上の共同研究から、口承・書承・電子メディアをめぐるメディア文化史の展開、ディスクール理論を中心とした現代言語理論との関わりにおける言語態理論の開発、文化の地域的展開とメディアとの関わりを研究するメディア文化圏論の展望を、研究成果として得ることができた。来年度はこれらの研究成果のとりまとめの作業に入ることになる。
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