研究課題/領域番号 |
09420009
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
民事法学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
青山 善充 東京大学, 大学院・法学政治学研究科, 教授 (70009801)
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研究分担者 |
紺谷 浩司 広島大学, 法学部, 教授 (00033738)
藤原 明久 神戸大学, 法学部, 教授 (40030621)
石井 紫郎 国際日本文化研究センター, 教授 (00009797)
松本 タミ 香川大学, 法学部, 教授 (30044853)
國井 和郎 大阪大学, 法学部, 教授 (70028017)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1999
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キーワード | 民事判決原本 / 裁判資料の保存 / 国立公文書館 / 司法の近代化 |
研究概要 |
本研究の目的は、第一に、民事判決原本を研究利用に供する際の裁判史料保存方策を研究すること、第二には、民事判決原本を史料として用いて明治期における「法」と「裁判」の形成定着の過程を研究すること、にあった。 第一の点については、司法資料の保存と利用の態勢について、現状の抱える問題点が摘出された。民事判決原本自体については国立公文書館への移管の方針が固まったが、およそ司法資料全般について、どのような資料をどのように保存するか、という哲学はいまだ明確でない。文書の現用性と資料的価値の間の微妙な関係を踏まえて、法実務家・法学者・歴史学者・資料保存の専門化など、幅広い件連分野の専門家による協力態勢の必要性が確認された。また、現在判決原本を一時保管している各国立大学の間で保存管理に関する協力態勢を構築した。 第二の点については、、個別のテーマに即して豊かな研究成果が得られた。特に明治初年、近代的な法体制の構築の途上にあっては、制度は実践のなかから析出されてゆく。そのプロセスを具体的に追跡することによって、この時期の司法体制についての従来の知見を大幅に更新することができた。ただし、資料の保存・利用の態勢が十分に整っていないため、これまでに得られた成果はいまだ断片的なものにとどまっている。それらの個別の成果を総合して「明治期の法と裁判」の全体像を描き直すためには、判決原本の全体を精査する必要があるが、それは将来の課題として残された。 なお、以上の研究成果をもとに、現在国際日本文化研究センターにおいて進行中の判決原本データベース化の作業への協力を行った。
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