研究課題/領域番号 |
09420015
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
久米 郁男 神戸大学, 法学部, 教授 (30195523)
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研究分担者 |
建林 正彦 関西大学, 法学部, 助教授 (30288790)
鈴木 基史 関西学院大学, 総合政策学部, 助教授 (00278780)
網谷 龍介 神戸大学, 法学部, 助教授 (40251433)
品田 裕 神戸大学, 法学部, 助教授 (10226136)
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キーワード | 選挙制度 / 合理的選択 / 政党再編成 |
研究概要 |
本研究は、新選挙制度が有権者は政治家の選挙行動や国会議員の政策活動に与える影響を合理的選択の理論に基づいて実証的に分析することを目的とするものであるが、本年度は研究の基礎となるデータベースの作成および仮説の構築に取り組んだ。データに関しては、まず1990年以降の総選挙三回分についての各候補者の選挙公約のデータベース化に取り組んだ。第一段階として、自由な形で書かれた公約を統一した方法で分析するための入力フォーマットとコーディングの方式を開発し、これを実際に社会・民社党系の代議士90名分およびさまざまな地域特性をもつ10の県の各候補者について適用しデータを作成している。実績(2)は、入力およびコーディングの方法を解説し、実際にデータの分析結果を一部紹介したものである。また1980年以降の総選挙の選挙結果から各候補の集票の力・形態を指標化したデータベースおよび自民党代議士にの政策活動分野についてのデータベースを作成した。その一部を利用したのが実績(1)である。来年度には引き続きデータベースの修正拡張を行うと共にその有機的な結合による重層的なデータ分析を試みることが可能となった。理論面では、第一線で活躍するジャーナリストから現実の状況についてのご教示を得たり作成中の上記データを観察したりしながら、各自の役割分担や関心領域に応じ、仮説の構築を試みた。これらのアイディアについては、三回実施した研究会や日常の連絡を通じ議論がかわされ、おおよその分析枠組みを固めることができた。今後は、構築された仮説群を作成した実際のデータから検証し、その結果に基づいて仮説の修正を図るというように理論面と実証面の双方から研究を深化させていく予定である。
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