研究概要 |
1997年に顕著となったアジアの金融機器、そして他ならぬ日本にける北海道拓殖銀行や山一証券の経営破綻等によって、「日本式経営」神話は、たしかに部分的にゆらいだ。しかし、ロシア一部においては、日本モデルに対する信仰は依然として高い。 ロシア人の一部は、改革主義者であれ、民族主義者であれ、日本文明が、現代世界において、事実上支配的地位を占めている西欧文明に挑戦する、アンチ・テ-ゼを提出している、と説く。そのような見解は、ロシア語の次のごとき文献中で明瞭に表明されている。Японский поыт дπя российских рефом(1995年から年間6冊刊行),Япония:полвека обновπения(1995),Японский Феномен(1996),Япония И Мировое сообщетсво(1996)。本研究者は、これらの文献を全て熟読し、1998年1月上旬、「新文明モデルとしての日本-ロシア改革の視点から-」(本文:400字詰×32枚)を執筆した。本論文は、「日本-ペレストロイカのモデル?」の続篇といえる。梅棹忠夫他編『講座:比較文明』(第2巻)に収録され、今春朝倉書店から出版される。
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