研究課題/領域番号 |
09430001
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研究機関 | 国士舘大学 |
研究代表者 |
山口 重克 国士舘大学, 政経学部, 教授 (10012139)
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研究分担者 |
河村 哲二 武蔵大学, 経済学部, 教授 (20147010)
戸田 壮一 神奈川大学, 経済学部, 教授 (90244764)
加藤 國彦 和歌山大学, 経済学部, 教授 (00233784)
横内 正雄 法政大学, 経営学部, 教授 (20166870)
菅原 陽心 新潟大学, 経済学部, 教授 (50171129)
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キーワード | アジア経済 / 市場経済 / 社会主義市場経済 / 共同体 / 中国経済 / 商品交換経済 / 制度 / 国家 |
研究概要 |
今年度は、研究グループ全体のテーマをアジアの金融制度に設定し、特に1997年以来のアジア金融危機との関連を研究した。ここで問題となったのは、アジア金融危機の中でしばしば主張されるようになってきた欧米とアジアの金融システムの違いである。すなわち、欧米がarm's length systemであるのに対して、アジアはrelationship-based systemであるという点である。この議論はわかりやすいが、arm's length systemではcommon law概念が根付いている必要があるのに対し、アジアではそれが欠けるためにrelationship-based systemによるという主張には、必ずしも同意できないというのがこの研究会の結論であった。 海外研究者との交流では、台湾の中国文化大学、台湾政治大学、中山大学を訪れて現地研究者と意見交換を行った。その主な内容は、台湾がアジア金融危機の影響をあまり受けなかったのはなぜかということであったが、台湾がハイテク産業を主体とする産業構造に転換してきたことと、産業の主体が中小企業にあったことが大きかったのではないかという結論であった。 さらに、今年度は各人個別のテーマに関して研究の中間報告を行い、報告書に向けてそれを集約する議論を行った。その結果、報告書の構成を(1)方法・理論、(2)マクロ・金融、(3)実態調査、の三部とすることを決めた。(1)の方法・理論では、市場経済の諸類型、制度と文化、社会主義市場経済の条件なとをテーマとする。(2)のマクロ・金融ではアジアの貿易と投資の構造、アジア型セイフティネット、華人ネットワークなどを取り上げる。(3)の実態調査では、中国・台湾・韓国の現地企業や日系企業の経営実態と市場経済との関連を分析する。
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