研究分担者 |
重田 澄男 岐阜経済大学, 経営学部, 教授 (50022182)
衣川 恵 鹿児島経済大学, 経済学部, 教授 (10234311)
工藤 昌宏 東京工科大学, 工学部, 教授 (10225162)
藤田 実 桜美林大学, 経済学部, 助教授 (90249178)
徳重 昌志 中央大学, 商学部, 教授 (10055238)
|
研究概要 |
90年代の情報ネットワーク化の進展に代表される情報技術の経済過程への浸透は,われわれの認識を遥かに超えた速さで進行している。かねてより,企業の生産過程の自動化,そしてまた企業の生産から販売までの全活動の情報ネットワークを利用した統合化などが注目を集めているが,これに加えて近年は,一般消費家計にまで情報ネットワーク化が深く浸透した結果,今後はこのように世界中の隅々にまで張り巡らせられた情報ネットワークを媒介にして,あらゆる経済主体相互の経済的な活動がなされることも予想されるなど,状況は日々目まぐるしく変動している。一方,このような情報化の経済過程への浸透は同時に経済過程のグローバル化と密接に結びついている。商品の製造や販売に従事する企業の活動,そして金融資産を運用する企業の活動は,ともにこのようなグローバル化の波にますますさらされることとなり,それによって日本型システムに属している経済主体を取り巻く競争環境は大きく変わろうとしている。そしてまた,このような90年代以降のグローバリゼーションと市場化の流れと歩調を合わせて,それまで特殊的なシステムを規制していたルールは見直しされることを余儀なくされ,このような意味においても,われわれの従来までの経済的な秩序は極めて重大な転換点を迎えているのである。以上のような客観的情勢をふまえ,本年度は経済過程における情報ネットワーク化の進行の実態,日本型システムにおける規制緩和の現状,世界的な金融恐慌の可能性にみられるような資本主義経済システムのグローバル化にともなうシステム不安定性の問題などについて特に重点的に研究が行われた。
|