研究分担者 |
中村 圭介 東京大学, 社会科学研究所, 教授 (30227889)
和田 一夫 東京大学, 大学院・経済学研究科経済学部, 教授 (20121478)
橋本 壽朗 東京大学, 社会科学研究所, 教授 (60106888)
石田 浩 東京大学, 社会科学研究所, 教授 (40272504)
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研究概要 |
自動車産業や電機産業に典型的みられる階層的分業関係いわゆる下請分業関係が、いかに生成,発展してきたかを,戦後に焦点をあて検討した。具体的には、自動車および電機産業の最終組立メーカーを選び出し,それぞれの系列ごとに,今日みられるような取引関係が1950年代から60年代にかけていかに形成されてきたかを把握することを研究課題とした。この課題に接近するため、つぎの作業をおこなった。 第1に、東京大学社会科学研究所が1950年代に実施した下請企業の管理に関する詳細なアンケート調査を新たな視点で整理、再分析を行った(このデータは、社研のデータアーカイブから公開される予定である)。第2に、社史、社内文書など関係資料を収集、分析した。第3に、購買管理に関わる関係者へのヒアリングを実施した(本社及び事業所の関係者のみならず、当時の購買管理担当者へのヒアリングを実施した)。第4に購買管理に関わる専門団体の機能を把握するため当時の関係者へのヒアリングを行った(資材管理協会、日本VE協会)。第5に、労使関係の側面から子会社との関係を把握するため、企業グループ労連の組織と機能を郵送法で調査した。 研究対象とした企業によって、上記の第1から第3の研究には濃淡が生じたが(実積報告書のヒアリング先一覧を参照されたい)、東芝、NEC、トヨタ、日産については一定の成果をあげることができた。 ヒアリング調査及び関係資料の分析などによって、本社における購買管理部門の確立つまり企業内における購買管理の制度化(例えば取引先管理の一元管理、事業所の購買人材の一元管理など)と下請企業との取引関係の制度化が相互規定関係(例えば取引先の格付けと取引先指導など)にあることなどが明らかにされた。
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