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1999 年度 実績報告書

産業的福祉と経済社会構造-ライフコースからみた日本の特質-

研究課題

研究課題/領域番号 09430008
研究機関福岡県立大学

研究代表者

平野 泰朗  福岡県立大学, 人間社会学部, 教授 (20165195)

研究分担者 花田 昌宣  熊本学園大学, 社会福祉学部, 教授 (30271456)
豊田 謙二  福岡県立大学, 人間社会学部, 教授 (60244802)
キーワード産業的福祉 / 企業内福祉 / 社会政策 / 社会保障 / 労使関係 / 企業主義
研究概要

われわれの基本的視角は、産業的福祉を労働力再生産の一環として分析することにある。そのためには、通常とられている国家と市場の補完関係を分析する方法を越えて、経済的・社会的諸制度が労働力再生産に果たす機能をも分析しなければならない。われわれのこの3年間の研究はこうした視角からなされてきた。
そこで、今年度は、まず、西欧での議論との対比を通してこれまでの研究成果の再検討を行った。それは、平野・花田の英語共同論文の執筆およびそのフランス語版の完成として結実した(このフランス語版は、フランスでの学会報告用に執筆されたが、時間の都合で当地に赴くことができなくなった)。この他、花田は、日本の生産方法や労使交渉の変容をフランスにおいて、公表した。
豊田も、ドイツでの介護保障に関する事実と当地での議論を展望した論文を執筆した。介護保障は、労働力再生産におけるライフステージ最終段階と位置づけることができる。そこでの基本的分析視角は、ドイツ社会保障制度における公と民との役割分担を追跡することである。それは、介護保険制度自体の運用ばかりでなく、介護サービスの需給マッチング方式(例えば、高齢者用ホームへの入所と運営参加)にまで及ぶ。日本でも、2000年4月から介護保険制度が実施されるが、ドイツの経験は、日本の制度運営を検討する場合の有益な先例となろう。
以上のように、われわれは、個人的所得による自助努力の他に、国家による社会政策、労使関係を媒介にした産業的福祉によって、現在の日本の労働力再生産が果たされていることを、主としてヨーロッパ各国との比較の中で明らかにした。

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] Yasuro HIRANO,Masanori HANADA: "'Industrial Welfare' and the 'Company-ist'Regulation"R.BOYER(ed)The Japanese Capitalismin Crisis,Rcutledge. (未定). (2000)

  • [文献書誌] Masanori HANADA: "Restructuration pour redevenir competitif"M.Freyssenet(ed) Quel Modele Productif,LaDecouverte. 117-138 (2000)

  • [文献書誌] Masanori HANADA: "Lanegociation collective videe de sa substance"Economie et Humanisme. No.349. 28-37 (1999)

  • [文献書誌] 豊田謙二: "介護サービスの質をめぐって"福岡県立大学生涯福祉研究センター『ライフサポート』. 第2号. 1-15 (2000)

  • [文献書誌] 豊田謙二: "環境保全都市への挑戦-福岡県久留米市の事例-"福岡県地方自治研究所『99年度地方自治研究集会』. 28-63 (1999)

  • [文献書誌] 豊田謙二: "ドイツの高齢者用ホーム-契約と参加-"福岡県地方自治研究所『福岡自治研究報』. 第57号. 1-21 (1999)

  • [文献書誌] 豊田謙二: "企業と社会の境界変容"ミネルヴァ書房. 227 (1999)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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