研究課題/領域番号 |
09430010
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研究機関 | 法政大学 |
研究代表者 |
森 廣正 法政大学, 経済学部, 教授 (10105869)
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研究分担者 |
宮脇 典彦 法政大学, 経済学部, 教授 (60190823)
山本 真鳥 法政大学, 経済学部, 教授 (20174815)
森 博美 法政大学, 経済学部, 教授 (40105854)
山本 健兒 法政大学, 経済学部, 教授 (50136355)
西川 大二郎 法政大学, 第一教養部, 名誉教授 (80061018)
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キーワード | 国際労働力移動 / 外国人労働者 / 移民・移住 / 日系人ブラジル人 / エスニック・ビジネス / 不法就労者 / 多文化・共生 / 多民族社会 |
研究概要 |
日本の外国人住民は、1990年代の長期的な不況にも拘らず、漸増傾向にあり、またその滞在も長期化・定住化傾向にあるが、日本の重層的な下請け構造のもとで外国人労働者が占める位置、彼等とその家族をめぐる人的・社会的ネットワークがどのように形成されており、その実態はいかなるものであるか、という点が本研究の主要な課題である。 1998年度には、前年度の方法を継続し、本研究課題に関係している人々の報告・研究会を開く一方、外国人労働者・住民が集住している調査地域を拡大し、国の出先機関や白治体、外国人支援活動に携わっている個人や団体を訪問して研究を深めた。また、現地研究会や訪問研究会などの新しい研究スタイルを工夫して、調査と研究との有機的結合をはかった。調査地域の拡大とともに、内容面でも、調査対象を外国人女性問題およびいわゆる「不法就労」アジア系外国人労働者問題へと拡大し、これらの外国人個人および支援団体などへのヒアリング調査の実施に努めた。また、レストランをはじめ、エスニック企業などを訪問し、その実態解明に努めた。 その結果、従来必ずしも十分に明らかにされてこなかった事実を知ることができた。たとえば、日系ブラジル人の雇用関係が、景気や企業の経営状態だけでなく、彼等の意識状況や住宅事情などの生活状態と密接不可分の関係にあること、日系人の階層分化が一層進んでいること、日系人に特徴的な「移動販売業」には多様な形態があり、その規模と活動地域が一層拡大していることなどである。他方、アジア系外国人女性や「不法就労」外国人労働者に関しては、日本人男性や女性と結婚する事例も多いこと、またこれらの人々の間における国籍別の人的ネットワークの形成、国内の宗教団体や労働組合との連携の現状等について多くの知見を得ることができた。
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