研究課題/領域番号 |
09430017
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研究機関 | 一橋大学 |
研究代表者 |
石 弘光 一橋大学, 経済学研究科, 教授 (60017530)
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研究分担者 |
和田 淳一郎 横浜市立大学, 商学部, 助教授 (30244502)
山重 慎二 一橋大学, 経済学研究科, 専任講師 (20282931)
蓼沼 宏一 一橋大学, 経済学研究科, 助教授 (50227112)
堀場 勇夫 青山学院大学, 経済学部, 教授 (70173648)
田近 栄治 一橋大学, 経済学研究科, 教授 (10179723)
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キーワード | 地方財政 / 交付税 / 補助金 / 分権化 / 地方税 / 事業税 / 国民健康保険 / 介護保険 |
研究概要 |
本年度は、8月と2月を除く毎月研究会を開催し、第2年次の最終報告に向けて研究報告を行った。報告者と報告内容を以下、略述する。長谷部「公共料金の決定と租税帰着」、堀場「地方政府の租税競争と中央政府」、油井「日本の公債政策-昭和財政史から」、馬場「包括的事業税vsインピュテーション」、田近「介護の不確実性と予備的動機」、蓼沼「現代経済学における公平性の基準」、山重「家族・地域共同体の機能と政府の役割」、和田「日本の政治と投票行動」。 本研究のテーマである『国と地方の役割分担』をめぐって、理論、税制、社会保障の観点から議論を重ねた。理論的には、国に代わる地方、そのなかでも地域・家族の機能を検討した。高齢者医療のなかで介護部分が、今後市町村の守備範囲となるが、そのなかで国・地方・家族の視点は、ますます重要となる。税制では、地方の税源を問題にした。事業税のあり方を取り上げたが、今後は、分権化のなかで地方の独自の財源、中央・地方の財政調整をさらに掘り下げる必要がある。社会保障では、国民健康保険が国と地方の関係を考えるうえで、もっとも重要な問題の一つであり、この保険ときわめて類似した保険として新たに、介護保険が導入されることになっている。 このように本年度は、理論、税制、社会保障の各点から論点をさぐった。この研究で取り上げている諸問題は、ますます重要性をましていると思われる。国民健康保健・介護保険、地方税制の改革など、今後のわが国の進路を左右する問題となってきている。引き続いて、いくつかの国との比較を加え、最終報告にむけて論点を絞り込んでいきたい。
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