研究課題/領域番号 |
09430018
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
財政学・金融論
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
奥野 信宏 名古屋大学, 経済学部, 教授 (70022465)
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研究分担者 |
黒田 達朗 名古屋大学, 情報文化学部, 教授 (00183319)
水田 健一 広島大学, 教育学部, 助教授 (00157497)
焼田 覚 中京大学, 経済学部, 教授 (50135290)
小川 光 名古屋大学, 経済学部, 講師 (10313967)
八木 匡 同志社大学, 経済学部, 助教授 (60200474)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1999
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キーワード | 人的資本 / 公的教育 / 地域経済 / 教育補助金 / 社会資本 |
研究概要 |
地域における人的資本の蓄積は、地域の産業の高付加価値化に貢献し、また研究開発機能の強化等においても地域に発展の可能性を与える。そのため、各地域においては、学校教育による人材の育成や人材が能力を発揮できるようにするための地域環境の整備、およびそれらを通して人材を地域に引きつける基盤の構築に関心が持たれている。本研究は、人的資本の地域間偏在と教育政策というタイトルのもと以下の諸点を検討している。第1に、わが国、及び諸外国における人的資本ストックの地域的偏在の実体を検証し、それをもたらした社会経済的背景について明らかにしている。第2に、理論モデルをもとに一国の経済成長や所得分配の観点から、教育投資の地域間配分の最適な時間経路を明らかにしている。 第1の点を我が国に限ってみた場合、次のことが明らかになった。1970年代後半では、大都市圏における教育投資の限界価値が大きく、教育投資は大都市圏を重点に教育投資が配分された。そのため、大都市圏での人的資本の蓄積が進み、地方圏から大都市圏に人口流入が進み、一人当たり教育投資の限界価値が減少することになる。教育投資の限界価値は、教育投資された地域の生産が相対的に大きい場合には、より速く減少することになり、大都市圏と地方圏との限界価値の相対的大きさが逆転することが生じ得ることになる。1970年代後半は、地方圏での過疎化も進み、教育投資の限界価値の逆転が生じ、地方圏への教育投資の配分の重点が移行していった。第2の点については、人的資本の偏在を原因にした所得分配の不平等や、一国経済の成長率を最大化するための人的資本蓄積パターンなどが、個別問題ごとに明らかにされた。
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