研究概要 |
本年度は、研究代表者と分担者の二人が一緒に、下記の会社を訪問した。乗用車系列:トップ・カー・メーカーとその第1次協力メーカー1社とそこへのサプライアー2社、カー・メーカー4社とそれらの地区販売会社計5社。パソコンの1大メーカーのHDD,LCDそれに半導体の各工場。シリコンウエハーメーカー1社。それに、売上高1位の総合食品卸商。本年度を含めたこれまでの3年間の研究成果は次の3点に要約される。 (1)乗用車・家電(洗濯機)・情報家電(パソコン)のそれぞれのアセンブリーメーカー、そして食料品の総合食品卸商(チェーンスーパーで常態化している特売商品)においては、第n週の生産は、第n-3週末に受けた流通からの情報に基づいて第n-2週に生産計画をたててサプライアーに確定発注を行う。(2)サプライアーへの内示について、生産月の前の月に行われるのが1ヶ月内示といい、その今一つ前の月に行われるのが2ヶ月内示、そのもう一つ前が3ヶ月内示である。半導体製造で増加している顧客明細指示の製品には2ヶ月内示に引き取り責任がある。乗用車についても、金融機関が破綻した平成10年10月下旬に出された3ヶ月内示が1ヶ月内示・週次確定発注となる平成11年1月にサプライアーが驚いたほどの大きな変化が数量にあったことから、3ヶ月内示がサプライアーの生産計画の源泉をなすことが、裏付けられた。他方、トップ・カー・メーカーはその第1次サプライアーとの間でのみ(内示を含めた)情報のやりとりを行う。(3)流通における資本の滞留期間がアセンブリー・メーカーからサプライアーへの取引の決済を決める。
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