研究分担者 |
工藤 剛治 千葉商科大学, 商経学部, 専任講師 (70281780)
平本 健太 北海道大学, 経済学部, 助教授 (00238388)
金井 一頼 北海道大学, 経済学部, 教授 (50142831)
関口 恭毅 北海道大学, 経済学部, 教授 (00091471)
寺本 義也 北陸先端科学技術大学院大学, 知識科学研究科, 教授 (30062178)
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研究概要 |
昨今の不況下,従来の中央政府主導型の一極集中政策に依存するばかりでは,地域の発展はとうてい望めなくなってきている.今後は,地域自らの手で地域の活性化・自立化を図らねばならないであろう.たとえばシリコンバレーのように,企業は単独ではなく地域内の他企業や研究機関と有機的な相互支援体制を築き,企業と地域とを共に活性化させる必要がますます高まっている. このような問題意識に基づき,われわれは,わが国の地域企業を対象として質問票調査ならびに聞き取り調査を実施した.調査対象は,旭川の木製家具,札幌のコンピュータソフトウェア札幌・帯広の農機具,燕・三条の金属洋食器・ハウスウェア,坂城の金属製品・加工,諏訪の機械・精密機械,鯖江のメガネフレーム,瀬戸・多治見の陶磁器,東大阪の金属・電機製品,今治のタオル,有田の陶磁器,大川の木製家具,の12地域3518社の製造企業である. 1998年11月から1999年1月にかけて質問票を郵送し,最終的に672社から有効解答を得た(有効回収率19.1%)。回収したデータを因子分析、分散分析、重回帰分析等の多変量解析法を用いて分析した結果,現時点で明らかになったのは以下の点である. 1. 地域ネットワークの有効活用(外注企業ネットワークの利用,新製品アイディアの地域ネットワークからの獲得,技術的問題解決のための研究機関・公設試験場・専門家との交流)によって地域企業の新製品開発が促進される. 2. 組織能力(工程技術能力,営業・マーケティング能力,研究開発能カ,資金力等)を高めることによって地域企業の新製品開発が促進される. 3. マーケティング戦略の変更は,地域企業の新製品開発活動に影響を与える. 4. 市場環境のダイナミズムは,地域企業の新製品開発活動に影響を与える. 5. 新製品/売上高比率の高い地域企業ほど,組織成果(利益額,売上高成長率)はより高い.
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