創造的研究開発推進のための研究者の育成と管理に関する国際比較研究

1998 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 09430025
• 研究機関: 慶応義塾大学
• 研究代表者: 石田 英夫 慶應義塾大学, 経営管理研究科, 教授 (00051300)
• 研究分担者: 佐野 陽子 東京国際大学, 商学部, 教授 (10051210) ; 守島 基博 慶應義塾大学, 経営管理研究科, 助教授 (60230116) ; 永野 仁 明治大学, 政治経済学部, 教授 (90237545) ; 中原 秀登 千葉大学, 法経学部, 助教授 (60189016) ; 梅澤 隆 国士舘大学, 政経学部・I部, 教授 (80143668)
• キーワード: 基礎研究者 / 開発研究者 / 基礎研究と開発研究の比較 / 日本と外国の研究者の比較 / 研究成果 / 研究者の創造性 / ナショナルシステムオブイノベーション / コミットメントと満足度

研究概要

我々は平成10年度に以下のような研究活動を行った。(1)我が国の開発研究者1350名の質問紙調査を実施した。対象とした業種は、以前の調査の基礎・応用研究者の所属業種と同じで、製薬650、エレクトロニクス390、化学240、製鉄80の調査票を回収した。(2)インド、イギリス、韓国、アメリカ、台湾、オーストラリア、ドイツ、フランスの研究者の質問紙調査を実施するための準備活動を行った。その結果、インド350、イギリス570、韓国1700の調査票をこれまで回収した。オーストラリア、フランスとドイツの研究機関との間で調査の実施について、約定ができ、両国それぞれ300〜500の調査票の回収が約束されている。アメリカについては2社の企業から調査実施の約束を得ているが、他の国々と同様に数百の調査票の回収を確保するためには新たな研究パートナーを見出すことを必要と判断し、打診している。
以上のように、国内の開発研究者の調査の実施によって、基礎・応用研究者と開発研者の調査結果の比較分析が可能になり、欧米と開発途上国の研究開発担当者の調査によって国際比較が可能となり、独創的研究成果をあげるための諸条件が一層明らかになると期待している。
日本とイギリスの研究者の比較分析結果はイギリス・クランフィールド大学のR&Dセミナーですでに発表されているが、平成11年3月刊の慶應大学産業研究所「組織行動研究」において、基礎と開発研究者の比較、日本とインド、オーストラリア、イギリスの比較研究が研究分担者および海外の研究協力者による13編の論文が公表される。その他、国際労使関係研究会議、産業組織心理学会、日本労務学会、組織学会などの場で研究成果の公表が予定されており、専門雑誌や紀要での論文発表も多数期待できる。

研究成果

• [文献書誌] 石田 英夫: "グローバル経営とホワイトカラー" 慶応経営論集. 15巻2号. 159-171 (1998)
• [文献書誌] 石田 英夫: "日本企業の国際経営者-キャリア・モチベーション・成功要件" 慶応経営論集. 16巻1号. 25-34 (1999)
• [文献書誌] 石田 英夫: "Japanese Human Resource Management:International Perspectives" 慶應大学産業研究所. (1999)
• [文献書誌] 福谷 正信: "日本型経営の将来〜企業環境の変化と組織再編〜" 政策研究. Vol.11No.9. 30-35 (1998)
• [文献書誌] 石川 淳: "研究業績に影響を与える要因:態度変数の分析を中心として" 山梨学院大学商学論集. 23号. 157-184 (1998)
• [文献書誌] 石川 淳: "研究開発部門における業績とマネジメント:研究部門と開発部門の比較" 日本労務学会年報. 28回大会. 163-168 (1998)
• [文献書誌] 石川 淳: "企業内研究者の態度と業績" 産業・組織心理学会発表論文集. 14回大会. 85-87 (1998)
• [文献書誌] 石田・守島責任編集: "研究人材マネジメント:研究と開発・日本と外国の比較研究" 慶応大学産業研究所. No.29. (1999)
• [文献書誌] 石田 英夫: "国際経営とホワイトカラー" 中央経済社, 280 (1999)
• [文献書誌] 福谷 正信(共著): "次の時代を担う日本の新しい組織とグループ" 総合研究開発機構, 227 (1998)
• [文献書誌] 中原 秀登: "企業の国際開発戦略" 千葉大学経済研究叢書, 382 (1998)
• [文献書誌] 梅澤 隆(共著): "インドの人的資源管理-IT産業と製造業" 日本労働研究機構, 194 (1998)
• [文献書誌] 梅澤 隆: "魅力的なオプションとしてのインド・ソウトウェア産業" 情報サービス産業協会, (1998)