研究課題/領域番号 |
09440004
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
宮本 雅彦 筑波大学, 数学系, 教授 (30125356)
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研究分担者 |
森田 純 筑波大学, 数学系, 教授 (20166416)
内藤 聡 筑波大学, 数学系, 助教授 (60252160)
木村 浩 上武大学, 商学部, 教授 (70023570)
小木曽 岳義 筑波大学, 数学系, 助手 (20282296)
北詰 正顕 千葉大学, 理学部, 助教授 (60204898)
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キーワード | イジング模型 / ラティス / メロモルフィック / ヴィラソロ代数 / 自己同型群 / モンスター単純群 / 頂点作用素代数 / ムーンシャイン予想 |
研究概要 |
頂点作用素代数はモンスター有限単純群とモジュラー関数との間の神秘的な関係を説明するムーンシャイン予想の解として構成されたムーンシャイン頂点作用素代数が出発点であるが、物理における弦理論などで注目されている2次元共形場理論の厳密な数学的定義であることが分かってきた。特に、物理的な意味において24次元メロモルフィック頂点作用素代数は非常に重要な意味を持っているが、現時点で知られているものは24次元のニイマイヤ格子から構成された頂点作用素代数とそれらのオービフォルド構成による頂点作用素代数だけといって過言でない状態である。 ところが、これらはすべて48個のアイジング模型のテンソル積を含んでいることがドン、メイソン達の研究によって知られていた。 研究代表者の宮本は、この基盤研究によってアイジング模型を含む頂点作用素代数の研究を続けており、平成9年度には、コード頂点作用素代数という扱いやすいものを定義し、平成10年度ではハミングコード頂点作用素代数に注目し、そのフュージョン規則なども決定した。平成11年度では、それらの表現を使ったムーンシャイン頂点作用素代数の新しい構成法の応用として、モンスター単純群の幾つかの性質を発見した。 例えば、モンスター単純群の幾つかの元に対して、そのトレイス関数がトンプソン級数となることの簡単な証明や、トンプソン群がE_8(3)に含まれる事など幾つかの群論的結果を見つけた。また、その構成を使って多変数のモジュラー形式に対応するものを構成した。これらはこの頂点作用素代数の構成法の有意義なことを示しており、他のホロモルフィック頂点作用素代数に対しても同様な応用が見込まれる。この点を中心に研究する必要があると思われる。
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