研究課題/領域番号 |
09440011
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
伊原 康隆 京都大学, 数理解析研究科, 教授 (70011484)
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研究分担者 |
辻 雄 京都大学, 数理解析研究所, 助手 (40252530)
望月 新一 京都大学, 数理解析研究所, 助教授 (10243106)
玉川 安騎男 京都大学, 数理解析研究所, 助教授 (00243105)
斎藤 盛彦 京都大学, 数理解析研究所, 助教授 (10186968)
斎藤 恭司 京都大学, 数理解析研究所, 教授 (20012445)
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キーワード | Grothendieck-Teichmuller群 / 絶対ガロア群 / pro-p基本群 |
研究概要 |
研究代表者・伊原は、Grothendieck-Teichmuller群に付随するベータ関数について研究し、それが古典的ベータ関数の場合のように、ガンマ関数に相当する関数の積に分解することを証明し、更にその新しいガンマ関数の対数微分が拡張されたクンマー指数から定まる速度を用いて具体的に表わせる事を証明した。これらは有理数本の絶対ガロア群に関するAndersonの結果の拡張になっている。(Andersonの結果自身は、又、研究代表者のそれ以前の結果の拡張。)証明の方法はAndersonの場合と全く異なり、Grothendieck-Theichmuller群の性質を直接使うものである。はじめの結果の方は前年度迄に大体出来ていたのだが、後の結果及びそれらをまとめた論文〔3〕の完成は今年度中のものである。 又、伊原は射影直線から3点を除いたもののpro-p基本群への有理数本の絶対ガロア群の作用の核と対応する拡大が円分体(1のpべき乗根の体)の如何なるアーベル拡大を含むかについて研究を続けており、それらについて新しい現象の説明がどう出来るかを考察中である。特に偶数Tate twistをもつものが出てくるかどうかが微妙である。これと関連して、上記基本群の中心降下例とは異なる新しいfiltrationについても研究中である。これは、それに作用する群のよりよいfiltrationを定めることが期待されている。 研究交流では97年6月にドイツのOberwolfach研究所で「ガロア群と基本群」というテーマで研究集会を開き(研究代表者とB.Matzat,D.Harbaterで組織)、日本からの参加者も全体の約15%の8名を数え、それぞれが研究成果を公表した。(研究分担者:玉川、望月、中村を含む)。又、上記3名はこのテーマにかかわるグロタンディック予想の解決への多大の寄与によって、97年度日本数学会秋季賞を共同受賞した。97年7月にはアメリカのSeattleでの研究集会で、有限体上の吉村曲線の基本群にかかわる研究成果を研究代表者が発表した〔4〕。
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