研究課題/領域番号 |
09440024
|
研究機関 | 立教大学 |
研究代表者 |
佐藤 文広 立教大学, 理学部, 教授 (20120884)
|
研究分担者 |
広中 由美子 早稲田大学, 教育学部, 教授 (10153652)
荒川 恒男 立教大学, 理学部, 教授 (60097219)
|
キーワード | ゼータ関数 / アイゼンシュタイン級数 / 概均質ベクトル空間 / 弱球等質空間 / 保型形式 / 関数等式 / 局所密度 |
研究概要 |
1.研究代表者は,(a)木村達雄氏を中心とする筑波大学の研究グループと共同で、SL_5の2階交代テンソル表現とGL_3の標準表現のテンソル積から得られる概均質ベクトル空間を弱球等質空間の立場から研究し、付随する関数等式の計算に成功した。この空間は、従来関数等式の計算にもっとも強力とされていたマイクロローカルカルキュラスの方法が適用できないケースであり、弱球等質空間の視点の有効性を示すことができた。(b)次に退化主系列表現の間のintertwining作用素に現れる積分を利用して、概均質ベクトル空間の関数等式を明示的に表すことを試みた。結果的には、発散積分の正則化などいくつか未解決な難点が残っているが、二元三次形式空間など重要な具体例でこの方法が極めて有望であることを示唆する結果を得た。 2.研究代表者と分担者広中の昨年来の共同研究によって、剰余体標数が2でないp進体上の二次形式の局所密度の明示公式を完全に一般の場合に求めることに成功しているが、広中はこの結果を、剰余体標数が2でないp進体上の二次拡大体により定まるエルミート形式の場合に拡張した。二次拡大体が分岐している場合には、新しい結果である。不分岐の場合には別の方法で局所密度は計算されていたが(同じく広中による)、今回得られた公式は新しい表示を与えており、その比較は興味深い今後の課題である。 3.分担者荒川は(a)長岡昇勇氏によってSiegel Eisenstein級数のweightに関するp進的極限をとることにより得られたweight 1の興味深いEisenstein級数について、次数が2の場合に、付随するKoechre Maass級数を具体的に表示した。(b)Boecherer氏との共同研究により、level Nの合同部分群に関するある種のweight 1の保型形式の空間が、weight 4のWeierstrass条件を満たす保型形式の部分空間と同型になること、またこれらが、あるweight 2のJacobi形式の成す部分空間と同型になる等のことを示した。
|