研究分担者 |
柏原 正樹 京都大学, 数理解析研究所, 教授 (60027381)
宮岡 洋一 京都大学, 数理解析研究所, 教授 (50101077)
森 重文 京都大学, 数理解析研究所, 教授 (00093328)
中山 昇 京都大学, 数理解析研究所, 助教授 (10189079)
三輪 哲二 京都大学, 数理解析研究所, 教授 (10027386)
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研究概要 |
1.過去2年余り研究してきた楕円リー環の研究及び楕円エータ積の研究がまとまり公表するに至った(文献[1],[2],[3])。 i)[1][2]において、吉井氏との研究で、楕円リー環のChevalley基底を与え、その基底に対する基本関係式(Serre関係式の一般化)を決定した。更に、同リー環をアフィン・リー環とハイゼンベルク・リー環との合成表示を与える事により、ルートの重複度も決定した。 ii)[3]において、楕円エータ積のMelin変換として出るL-函数がArtin L-函数(の差)で表示できる事を示し、特にD_4,E_6,E_7,E_<8->型のルート系に対してはGalois-群がアーベル群となり、Dirichlet級数の分解を用いて、Fourier係数の非負性が示せた。これは「ムーン・シャイン国際会議」(J.McKay主催、モントリオル1999年5月〜6月)にて発表した。 iii)上記の研究をふまえて、今年度は楕円的ボレル部分代数とその旗多様体の研究を開始した。これは旗多様体にSL(2,Z)が作用する事及び、楕円リー群のBruhat分解を示す事により、楕円不変式やキャラクターの保型性を示す事を目的としている[4]。 2.従来、存在を期待されながら、研究に手がついていなかった、ADE型の平坦構造(フロベニウス多様体)に付随する原始保型形式に関する講義を行った(文献[5])。保型群やΓwや周期領域の記述他、従来未公表であった成果も入れて、この方面における基本的なものとしたい。
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