研究分担者 |
和田 昌昭 奈良女子大学, 理学部, 助教授 (80192821)
金信 泰造 大阪市立大学, 理学部, 助教授 (00152819)
河内 明夫 大阪市立大学, 理学部, 教授 (00112524)
中西 康剛 神戸大学, 理学部, 教授 (70183514)
村上 順 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (90157751)
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研究概要 |
1. 離散性判定アルゴリズム.昨年度の研究により解明,拡張したJorgensen理論を精密化することにより,次の問題に対する効果的なアルゴリズムを得た. (1.a) 穴開きトーラス群のPSL(2,C)表現が擬フックス群になるかどうか. (1.b) 2つの楕円的変換により生成される群がRiley Sliceの元になるかどうか. 更に,上の結果を用いてRiley Sliceを複素平面上にRiley Sliceをコンピュータグラフィックで描いてみせた. 2. 2橋結び目補空間の双曲構造の具体的構成とそのフォード領域の決定.2つの楕円的変換により生成される自由離散群に関するJorgensen理論を錐多様体に対する理論へと拡張した.その理論を用いることにより,Riley Sliceの有理境界点から出発して2橋結び目補空間に到達する錐多様体の連続族を構成し,同時にそのフォード領域を決定した.しかし,基本的な概念(錐多様本のフォード領域など)の整備がまだ不十分なため,証明を書き下すまでには至っていない.これらは,来年度はじめに早急に整備する予定である. 3. Riley Slice、2橋結び目に対するMcShaneの恒等式.穴開き群トーラス群,および円周上の穴開き群トーラスに対して証明されていたMcShaneの恒等式の類似Riley Slice内の群及び,特別な2橋結び目群に対しても成立することを証明した.また,一般の2橋結び目群に対しても,McShaneの恒等式の類似が成立するための組み合わせ群論的な必要十分条件を与えた.
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