研究課題/領域番号 |
09440033
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
幾何学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
作間 誠 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (30178602)
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研究分担者 |
村上 順 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (90157751)
榎 一郎 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (20146806)
満渕 俊樹 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (80116102)
山下 靖 奈良女子大学, 理学部, 講師 (70239987)
和田 昌昭 奈良女子大学, 理学部, 教授 (80192821)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1999
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キーワード | ヘガード分解 / 双曲構造 / 錐多様体 / 2橋結び目 / 擬フックス群 / 一点穴開きトーラス |
研究概要 |
3次元多様体のヘガード分解の研究は、3次元多様体論の最も重要なテーマの一つである。"non-hyperbolike"多様体のヘガード分解に関してはこれまでに十分深い知見が得られているが、双曲多様体のヘガード分解に関しては残念ながらまだほんの少しの知見しか得られていない。特に双曲構造とヘガード分解の関係に関しては、我々が知る限り、殆ど何もわかっていなかった。 この研究プロジェクトでは、2橋結び目補空間の完備双曲構造と、(一種ヘガード分解である)橋構造との間には密接な関係があることを発見した。実際、我々は2橋結び目の2橋構造を用いることにより、2橋結び目補空間の完備双曲構造を具体的に構成した。もっと正確に言うと、2橋結び目補空間上の錐多様体構造の連続族で、上トンネルと下トンネルに沿って特異点を持ち、錐角が0から2πまで変化するものを構成した。錐角0の時の錐多様体構造は、擬フッ楠一点穴開きトーラス空間の有理的境界群に対応し、錐角2πの時の錐多様体構造は2橋結び目補空間の完備双曲構造を与える。この証明のために、我々はJorgensenによりアナウンスされていた擬フックス一点穴開きトーラス群に関する理論(の一部)を整備し、更にそれを擬フックス一点穴開きトーラス空間の外部に適用できるように一般化した。このプロジェクトのために和田昌昭が開発したコンピュータソフト「OPTI」は、このプロジェクトにとって必要不可欠な道具であっただけでなく、今やタイヒミュラー空間論の研究にとっても重要な道具として様々な研究者により愛用されている。上述の研究成果は、3次元多様体の双曲構造とへガード分解の関係の研究の始まりであると信じている。
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