研究分担者 |
加藤 信 大阪市立大学, 理学部, 助教授 (10243354)
片桐 民陽 奈良女子大学, 理学部, 助教授 (60263422)
石本 浩康 金沢大学, 理学部, 教授 (90019472)
北原 晴夫 金沢大学, 理学部, 教授 (60007119)
児玉 秋雄 金沢大学, 理学部, 教授 (20111320)
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研究概要 |
本研究は多様体の幾何構造を特定の構造に限定することなく大域解析の手法を用いて理解を深めることを主旨としている.本年度の研究成果はおもに共形構造およびこれに関連の深い幾何において得られている. まず2次元球面のメビウス幾何に関する結果として,球面上の自己交点数5までの閉曲線のジオトピー類で,閉曲線のもつ頂点の最小数をすべて決定した(代表者).この考察の結果メビウス幾何において曲線の射影構造が重要な役割をもつという知見を得た. 分担者加藤は計量の共形変形によるスカラー曲率方程式の解全体の構造に関する研究をすすめた.それまで得られていた最大解の一意性定理を,より一般の非線型楕円型偏微分方程式に拡張した.またこれまで山辺不変量が正であるコンパクトリーマン多様体から一点をのぞいた領域上で得られていた解空間の構造定理を有限個の点を除いた領域の場合に拡張する,などの結果を得た. 分担者片桐はワイル構造の研究をすすめた.ワイル構造とは共形構造とそれに適合する接続をあわせた概念である.リーマン幾何の場合と同様にリッチ曲率のアインシュタイン方程式が定式化され,これをみたすワイル構造をアインシュタイン・ワイル構造という.アインシュタイン計量の定めるアインシュタイン・ワイル構造の無限小剛性,共形構造を固定したときリッチ曲率の対称部分がワイル構造を決定するという結果,さらに変形平坦なアインシュタイン・ワイル構造の決定,という結果を得た.
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