研究課題/領域番号 |
09440035
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
内藤 博夫 山口大学, 理学部, 教授 (10127772)
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研究分担者 |
菊政 勲 山口大学, 理学部, 助教授 (70234200)
片山 寿男 山口大学, 理学部, 教授 (00043860)
井上 透 山口大学, 理学部, 教授 (00034728)
中内 伸光 山口大学, 理学部, 助教授 (50180237)
志磨 裕彦 山口大学, 理学部, 教授 (70028182)
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キーワード | 対称空間 / 部分多様体 / グラスマン幾何 / 全測地的部分多様体 |
研究概要 |
本研究の目的はコンパクト単連結対称空間上のグラスマン幾何の考察である。特に、対称空間の2次元曲面のグラスマン幾何の解明及び全測地型(曲率不変型)グラスマン幾何の分類である。継続研究である本研究の初年度の目標は、情報収集及び関連研究者(研究協力者)との意見交換を通して、本研究の基礎造りを行い、次年度での本格的研究の環境を整えることであった。 上記の過程で得られた新しい知見は、総合すれば次の2点である。 1.一般にグラスマン幾何の存在に関する解明は等長変換群と呼ばれるコンパクトリー群上のある線形方程式、1階線形編微分方程式系及び非線形編微分方程式系の共通解の存在に帰し、これらの方程式はリー群に付随するリー環の構造常数と密接な関係をもつことが分かった。特に対称空間の代表的な例である複素射影平面の2次元曲面のグラスマン幾何でこのことを調べることによって、良い幾何構造をもつグラスマン幾何では方程式もシンプルであることが分かった。 2.表現論的見地から、対称空間にはS-図形と呼ばれるグラフが対応する。全測地型グラスマン幾何の分類は、このグラフ間の写像の構成方法と密接に関係することが分かってきた。これは低次元部分多様体の全測地型グラスマン幾何の分類を可能にすると思われる。 これらの知見をさらに発展させることによって、次年度では上記問題の全面解決に取り組む予定である。
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