研究分担者 |
加藤 崇雄 山口大学, 理学部, 教授 (10016157)
渡邉 正 山口大学, 教育学部, 教授 (10107724)
井上 透 山口大学, 理学部, 教授 (00034728)
中内 伸光 山口大学, 理学部, 助教授 (50180237)
志磨 裕彦 山口大学, 理学部, 教授 (70028182)
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研究概要 |
本研究の目的はコンパクト単連結対称空間上のグラスマン幾何の考察である.継続研究である本研究は,初年度で得られた知見を基にし,グラスマン幾何に付随する一階偏微分方程式系の解明及び全測地型グラスマン幾何の分類問題を総合的に研究することであった. 本研究は主に,研究代表者及び研究分担者を中心とし,幾何学関係の研究協力者を始め群論関係,微分方程式関係などの研究協力者との意見交換を通じて遂行された.その結果得られた総合的な知見は次のとおりである: 1. 軌道型グラスマン幾何に付随する一階偏微分方程式系の研究においては,既に得られていた断片的な知見を,本研究で整理発展させ統一的な理論へ昇華させることが出来た.軌道型グラスマン幾何に属する部分多様体の幾何学的基本量と一階偏微分方程式系の解の解析的性質の関連が解明されたことにより,研究段階が次のステップである解析的研究に移行することが可能になった. 2. 全測地型グラスマン幾何の分類問題の研究においては既に得られていた強曲率不変型グラスマン幾何の分類問題の位置付けが本研究において明白になったことが1つの知見であると同時に,強曲率不変型でない全測地的グラスマン幾何の分類問題への予見が得られたこと,特に曲面のグラスマン幾何において得られたことが成果である.全測地型グラスマン幾何の分類は,別の観点から進行している歴史的問題である「対称空間の全測地的部分多様体の分類問題」と同値な問題で,本研究の成果はこの問題への新しい予見を与えている.
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