研究課題/領域番号 |
09440038
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
幾何学
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研究機関 | 東京都立大学 |
研究代表者 |
荻山 紘一 東京都立大学, 大学院・理学研究科, 教授 (10087025)
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研究分担者 |
前田 定広 島根大学, 総合理工学部, 教授 (40181581)
中村 憲 東京都立大学, 大学院・理学研究科, 教授 (80110849)
大仁田 義裕 東京都立大学, 大学院・理学研究科, 教授 (90183764)
釼持 勝衛 東北大学, 理学研究科, 教授 (60004404)
宇田川 誠一 日本大学, 医学部, 講師 (70193878)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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キーワード | 部分的多様体 / 微分幾何学 / 曲線 / 曲面 / 曲率 / 幾何構造 / 情報交換システム |
研究概要 |
微分幾何学は3次元Euclid空間における曲線や曲面の研究に端を発し、部分多様体論はその中心的な研究課題である。本研究の目的の一つは、部分的多様体の微分幾何学的研究及びそれに関連する分野の研究を推進、もう一つはこの分野における効果的な研究情報交換システムを構築し運用することである。そのために、平成9年度に、代表者と分担者で実施計画を検討し、各分担課題における研究目標の設定と重点項目の選定を行い、各分担者を中心とした研究組織を構成して研究活動を開始した。先ず、研究を進める上で効果的な情報交換を可能にするために、中村と濱田が中心になってメイリングリストシステムを構築して運用を開始した。現在では世界中のこの分野の研究者246名がメンバーになっている。各分担者の周辺で行われる研究の成果を報告したり、隣接分野から情報を得るために、平成9年度に4回、10年度に4回研究集会を開催した。これらは研究を推進する上で極めて有意義であり、特に外国人研究者を招聘した研究会は視野を広げる効果が大きかった。分担者が海外で開催された国際研究集会に参加して研究成果を報告し、諸外国の研究者達と情報交換をすることが出来たことも研究推進上大きなプラスになった。その結果は、リーマン多様体内の曲線(閉測地線、円、螺旋)およびそれによる部分多様体の研究においては、荻上、前田・足立、宇田川らが中心となり非常に大きな成果をあげてこの領域を多いに深めた。球面や複素射影空間内の曲面や実超曲面の研究に関して、前田・高木・北川らにより多くの興味ある結果が与えられた。特筆すべきことに、宮岡がE.Cartan以来の問題の球面内の等径超曲面の分類問題において目覚しい成果をあげた。また、S.S.Chernの研究に始まる複素空間形内の定ガウス曲率の極小曲面の分類問題で、釼持が大きな進展を与えた。リーマン面から対称空間への調和写像およびそれに関わる極小曲面の研究においては、江尻・大仁田・宇田川らが可積分系理論と関わる重要な前進を与えた。特異点論、結び目理論、ゲージ理論、モジュライ空間、可積分型の理論などの他の周辺分野から観点からも泉屋・大原・大仁田らにより本研究課題の研究がなされ新しい研究が与えられた。この研究課題の成果に基づき、今後の研究の新展開も大いに期待される。
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