• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2000 年度 研究成果報告書概要

非可換微分幾何学の研究

研究課題

研究課題/領域番号 09440041
研究種目

基盤研究(B)

配分区分補助金
応募区分一般
研究分野 幾何学
研究機関東京理科大学

研究代表者

大森 英樹  東京理科大学, 理工学部, 教授 (20087018)

研究分担者 岡 正俊  東京理科大学, 理工学部, 教授 (70120178)
庄司 俊明  東京理科大学, 理工学部, 教授 (40120191)
荒木 不二洋  東京理科大学, 理工学部, 教授 (20027361)
吉岡 朗  東京理科大学, 理工学部, 助教授 (40200935)
古谷 賢朗  東京理科大学, 理工学部, 教授 (70112901)
研究期間 (年度) 1997 – 2000
キーワード非可換幾何学 / *一積 / 非可換微分幾何学
研究概要

この分野は物理学との接点になっており、最近特に激しく動いている分野である。世界的な核となっている所が数箇所ありそれらが互いに協力したり張合ったりしながら進んでいる。様々な分野の人達との討論を通じて、非可換微分幾何学の研究というのは,結局非可換である世界をどのように視覚化、直感化した言語にしていくかという研究、つまり非可換である世界そのものの研究(これは物理学の目標)ではなく、それを理解しようとしている人間の認識様式の研究であることがますますはっきり確認できた。
具体的には非可換世界のモデルとして考案したμ-regulated algebraに対して、μがformalでない場合を含めて表現論を構築する見通しが得られた。特にμが形式的変数でない場合に「完備ワイル空間」なる概念が浮かび上がってきた。ここでの積は迂濶に拡張すると発散したり、結合律を満さなかったりしてかなり危険なものであるが、この危いものの中に昔から「真空」と呼ばれていたものと同じ働きをする元が入っており、これがこの辺の幾何学を構築するときに基礎的な概念になることが確認された。
さらに、完備ワイル空間の中に普通の微積分の代数が真空表現として埋め込まれていること、また擬微分作用素の中でMetaplectic groupと呼ばれているものが入っていることも確認できた。
μが正の定数として扱われる変形量子化の理論では一般に結合律が破れると言う現象が起こる。今のところこの現象に気づいている人は少なく、単に困った現象と受け取られているのだが、これが起こる仕組みがかなりはっきりしてきた。
これらの現象は、これまでの描像で解釈しようとすると理解に苦しむことが多く、注意深く理論を建設しないといけない所のように思える。つまり、結合律を保持して代数を拡張しようとするかぎり、「我々はある種の対称性を捨てて行かねばならない」のである。誤解を防ぐためにこれらの結果の発表にはかなり気を遣う必要があるが、共同研究者との討論を通じて精密な物に仕上げて、発表する予定である。
そこで、これらの間の積公式を間違いのない完全なものに仕上げることを後半の目標とした。
これらの計算結果はそのままでは意味が不明のものだから論文として発表するにはまだ時間のかかるものであるが、計算結果の散逸を防ぐ意味でとりあえず報告書の方に収録しておくことにした。
また、平成11年度までの成果は湘南国際村で我々が主催した研究集会の報告集に収録した。

  • 研究成果

    (14件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (14件)

  • [文献書誌] 大森英樹: "Groups of quantum volume preserving diffeomorphisms and their Beregin representation"Analysis on infinite dimensional Lie groups (論文集) World Scientific. 337-354 (1998)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] 大森英樹: "On global hypoelliptiaty on compaet manifolds"Hokkaido Mathematical Journal. 28. 613-633 (1999)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] 大森英樹: "Noncommutative world, and its geometric picture"A.M.S.translation of Sugaku expositions. 13・2. 143-171 (2000)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] 大森英樹: "Deformation quantization of Frechet-Poirson algebras"Mathematical Physics Studies (論文集). 22. 233-246 (2000)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] 大森英樹: "Singular system of exponential functions"Noncommutative Differential Geometry (論文集). (2001)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] 大森英樹: "One must break symmetry in order to keep associativity"Banach center publications. 44・. (2001)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] 大森英樹: "無限次元Lie群論"アメリカ数学会. 415 (1997)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] H.Omori, Y.Maeda, N.Miyazaki and A.Yoshioka: "Noncommutative 3-sphere"J.Math.Soc.Japan. vol 50 no 4. 945-943 (1998)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
  • [文献書誌] H.Omori, Y.Maeda, N.Miyazaki and A.Yoshioka: "Poincae-Cartan class and deformation quantization."Commun.Math.Phys.. 194. 207-230 (1998)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
  • [文献書誌] H.Omori, Y.Maeda, N.Miyazaki and A.Yoshioka: "Groups of quantum volume pre-serving diffeomorphisms and their Berezin representation."in the book Analysis on infinite-dimensional Lie groups and algebras, ed. H.Heyer, J.Marion, World Scientific. 337-354 (1998)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
  • [文献書誌] H.Omori, Y.Maeda, N.Miyazaki and A.Yoshioka: "Deformation quantization of the Poisson algebra of Laurent polynomials"Lett.Math.Pysics.. 46. 171-180 (1998)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
  • [文献書誌] H.Omori, T.Kobayashi: "On global hypoellipticity on compact manifolds"Hokkaido Math.J. 28. 613-633 (1999)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
  • [文献書誌] H.Omori, Y.Maeda, N.Miyazaki and A.Yoshioka: "Deformation quantization of Frechel-Poisson algebras, Convergence of the Moyal product"in the book Mathematical Physics Studies, 22 Kluwer Academic Publishers. 233-246 (2000)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
  • [文献書誌] H.Omori, Y.Maeda, N.Miyazaki and A.Yoshioka: "Singular system of exponential functions"in Noncommutative Differential Geometry and its Applications to Physics, Kluwer Academic Publishers.. (to appear).

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より

URL: 

公開日: 2002-03-26  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi