研究概要 |
主として下の3項目に関する研究を行った。この研究を進める上で、科学研究費補助金による研究連絡等は極めて重要であった。特に、デンマークからF.Pedersen教授を招へいして行った研究連絡により、これらの研究はより一層進展した。 I. 共形平坦な超曲面の研究.共形平坦な多様体を空間形の中に超曲面として実現する問題を研究した。(1) 多様体の次元が4以上のとき、コンパクトで共形平坦な超曲面はSchottky多様体に限る。この研究では、Schottky多様体の空間形の中への具体的実現方法を与えると共に、これらの実現された多様体の共形類を調べる方法を与えた[文献,1]。 (2) 多様体の次元が3のとき“どのような超曲面が存在するか"ということは、E.Cartan(1917)以来の問題である。この場合について、超曲面を第1基本形式により3つの型に分けて研究し、このうちの2つの型について、これらの型の第I基本形式を持つ超曲面を全て決定した。 II. 情報幾何とアフィン幾何の研究. (3) バナッハ空間への余次元1の半はめ込み写像に関するアフィン幾何により、確率分布族の幾何構造が解明されることを示した。 (4) 3次元アフィン空間のアフィン-ガウス・クロネッカー曲率が一定な曲面に関して、計量的な場合と非計量的な場合の両方について、その構成や性質の研究を行った。 III. 平均曲率一定な曲面(CMC-H曲面)の研究. (5) 3次元ミンコフスキー空間内の時間的CMC-H曲面について、ラックス表示と曲面の変形の研究[文献,4],ペックルント変換のループ群論的定式化の研究[文献,5]を行った。 (6) 3次元ミンコフスキー空間の空間的CMC-H曲面とガウス曲率一定な曲面の構成の研究を行った。
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