研究分担者 |
長澤 壯之 東北大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (70202223)
堤 誉志雄 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (10180027)
西浦 廉政 北海道大学, 電子科学研究所, 教授 (00131277)
立澤 一哉 東北大学, 大学院・理学研究科, 講師 (80227090)
飯田 雅人 岩手大学, 教育学部, 講師 (00242264)
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研究概要 |
(A) 高木は長澤と共に主として活性因子-抑制因子型の反応拡散系の定常解の安定性について,柳田英二,Wei-Ming Niと連絡をとりあって研究した.ある単独半線型ノイマン問題の特異摂動解で,あるエネルギー汎函数を最小にするものは,境界の平均曲率が最大になる点に集中するようなスパイク状の形状を持つことが知られていた.本研究では,抑制因子の拡散係数が無限大になった極限系がこの単独半線型方程式によって近似出来ることに着目し,多次元領域において,最小エネルギー解に対応する定常解の安定性を考察した.その結果,抑制因子の反応時定数が小さいときはこの定常解は安定であるが,大きいときは不安定であり,安定性が失われるときに周期解が分岐することが分った.さらに,球の場合に単独半線型ノイマン問題のスパイク状解は軸対象でなければならないことを,Chang-Shou Linの協力のもとで,証明した. (B) 西浦は,飯田と協力しつつ,時間とともに複雑化する遷移パターンの発生機構を明らかにするため,数値シミュレーションを行ないながら研究を展開し,自己複製的パターンの構造を解明した. (C) 堤は,立澤と共同して非線型シュレーディンガー方程式の解の構造を実解析的手法を用いて研究した. (D) 高木と西浦は情報交換と成果発表を兼ねて研究集会を二度開催した.第一回は様々な偏微分方程式の問題に見られる集中現象を取りあげてその解析のための技術的詳細まで踏み込んだ講演・討議を行なった.第二回はシュレーディンガー方程式などの分散型方程式の解の爆発と云う集中現象を中心的主題に研究発表を行なった.
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