研究分担者 |
小林 孝行 九州工業大学, 工学部, 講師 (50272133)
杉山 由恵 早稲田大学, 理工学部, 助手 (60308210)
楫 元 早稲田大学, 理工学部, 教授 (70194727)
清水 扇丈 静岡大学, 工学部, 助教授 (50273165)
久保 明達 藤田保健衛生大学, 助教授 (60170023)
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研究概要 |
(1)3次元外部領域での非圧縮性粘性流体の方程式の定常問題の解の評価をL_<3,∞>クラスで無限遠方での流速u_∞に関し一様な形で得た.この研究の本質的な部分は線形化方程式の解の一意存在とその評価をu_∞に関し一様に求めることである.それには,基本解がL_<3,∞>に入っていることに着目し,補間法を使いOssen方程式の基本解のL_<p,∞>評価をu_∞に一様に求める.外部領域に対しては,全空間での基本解と内部問題との解を単位分解を用いてあわせ,摂動法を用いて剰余項を処理し,線形化方程式にたいし所求の結果を得た. (2)上記定常解のL_<3,∞>クラスでの安定性を補間法を使うことにより示した.ここでの解の評価も無限遠方での流速に関し一様である. (3)圧縮性粘性流体の線形化問題の解がdiffusion waveの性質を持つことを示した.これはすでに,D.HoffとK.Zumbrumにより示されていたものの別証明を与えたものであるが,我々の方法はstationary phase methodを用いる簡明な方法である.さらにここで開発した方法を適用し,粘弾性体の方程式の解もdiffusion waveの性質を持つことを示した. (4)弾性体の2相問題の定常問題について,L_p評価を示した.まず,半空間での解の表示を正確に求め,とくにロパチンスキー行列の解析を詳しく行った.そして,解の表現式にFourier-multiplier理論を用い,解そのものの評価を行った.また,ラプラス作用素に対するAgmon-Douglis-Nirenbergの古典的な理論をその表現式に適用し,Fourier-multiplierの理論とあわせて高次の微分の評価を行った.さらに,半空間と全空間の評価を単位分解を用いてあわせ,そこで得られた評価式に一意性の議論を応用することで,レゾルベントに対する一般領域での評価を得た.ここでの議論は多くの方程式に応用が出来る.実際次に述べるGinzburg-Landau方程式の線形化問題にも適用された. (5)Stokes作用素に対するL_p評価の方法を拡張し,(4)での議論の筋道にそって,超伝導の基礎方程式であるGinzburg-Landau方程式の線形化方程式に対し,そのレゾルベントの評価をL_p枠で与えた.これより,時間発展方程式に対しL_p理論が構成できた.
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