研究課題/領域番号 |
09440048
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
大島 利雄 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 教授 (50011721)
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研究分担者 |
落合 啓之 立教大学, 理学部, 講師 (90214163)
小林 俊行 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 助教授 (80201490)
寺田 至 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 助教授 (70180081)
松本 久義 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 助教授 (50272597)
織田 孝幸 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 教授 (10109415)
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キーワード | 等質空間 / 対称空間 / 表現論 / 超幾何関数 |
研究概要 |
今年度は、研究代表者を中心に、京大数理解析研究所でプロジェクト研究を主催し、研究課題に対する現状と将来の方向性を保った。これには、多数の海外からの参加者もあった。その成果は、本として出版される予定である。 研究代表者は、特殊線型群の退化系列表現の満たす微分方程式を,Capelli恒等式を一般化することから導き、超幾何関数論などに応用してきた。今年度の研究ではこれとは異なる行列のベキ型の微分作用素を研究し、従来できていなかった、一般の古典群の場合に、退化系列表現の満たす微分方程式系の具体的な構成に成功し、逆にこの方程式系が退化系列表現を特徴付けていることを証明した。 関連して、古典系リー環の一般放物系部分リー環の一次元表現から誘導される一般Verma加群の零化イデアルの生成元を具体的に求めることができた。 また、示野との共同研究では、この結果の応用として、古典的リーマン対称空間の種々の境界上の関数から、対称空間上の関数、あるいは対称空間上の線型束の切片の空間の上へのポアソン変換に対し、その像を具体的に特徴付ける微分方程式を与えた。 微分方程式系の2つの構成法は、生成元等が異なっており、それらの関係の研究が現在進行中であり、それは、一般線型群でない古典群の旗多様性上の超幾何微分方程式の研究への応用を目ざしている。
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