研究分担者 |
志賀 啓成 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教授 (10154189)
内山 耕平 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (00117566)
倉田 和弘 東京都立大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (10186489)
相川 弘明 島根大学, 総合理工学部, 教授 (20137889)
石毛 和浩 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 助教授 (90272020)
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研究概要 |
村田・石毛はユークリッド空間上の2階放物型偏微分方程式に対する初期値問題の非負値解の一意性が成り立つための最適な十分条件を研究し、方程式に付随する内在的距離を用いて一意性が成り立つための方程式の係数の無限遠での最大増大度を決定した。村田・石毛はこの結果をさらに深め、単純かつ一般的であって従来の結果を全て統一する一意性定理に到達した。この成果は既にA.Ancona,L.Saloff-Coste, K.Th.Sturm, E.B.Davies,A.Grigor'yan等この方面の専門家のレビュウを受け、論文にまとめ投稿中である。 村田は2階楕円型偏微分方程式の正値解に対するMartin理論における半小摂動の概念を導入し、半小摂動の下での構造安定性および半小摂動になるためのいくつかの判定条件を与えた。この結果は2階放物型偏微分方程式に対する初期値問題の非負値解の非一意性、確率論における拡散過程の寿命評価、楕円型方程式の正値解の構造等に関わるものであり、Y.Pinchover,R.Pinsky等この方面の専門家から評価されるとともに相川,Y.Pinchoverによる研究の進展がある。村田は更に定常Schrodinger方程式の正値解の構造についての成果を論説にまとめた。 村田・倉田はこれらの研究の基礎となる楕円型・放物型偏微分方程式の理論を一書にまとめた。倉田はさらに楕円型偏微分方程式の局所的問題に対していくつかの結果を与えた。
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