研究課題/領域番号 |
09440051
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
鵜飼 正二 東京工業大学, 大学院・情報理工学研究科, 教授 (30047170)
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研究分担者 |
高野 清治 横浜国立大学, 工学部, 教授 (90018060)
北田 泰彦 横浜国立大学, 工学部, 教授 (70016145)
木内 博文 東京工業大学, 大学院・情報理工学研究科, 助手 (00251611)
谷口 雅治 東京工業大学, 大学院・情報理工学研究科, 講師 (30260623)
高橋 渉 東京工業大学, 大学院・情報理工学研究科, 助教授 (40016142)
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キーワード | 離散速度ボルツマン方程式 / 境界層理論 / 漸近理論 / 半空間定常問題 / 可解性条件 |
研究概要 |
Stokes近似方程式の大域解 圧縮性Navier-Stokes方程式は圧縮性粘性流体の運動を記述する方程式として最も物理的近似の少ない方程式と考えられている。これは強い非線形性をもつ双曲形偏微分方程式と放物形偏微分方程式の連立系であるので、初期値問題の時間大域解の存在は、数学的に最も基本的かつ重要な問題である。初期値が小さい場合の存在定理は比較的容易に証明できるが、大きな初期値では非線形性が強くなり難しい。近年、状態方程式などにある種の制約を付ければ、任意の大きさの初期値に対し大域的弱解が存在することが証明された。これは大きな進歩であるが、しかし、課された制約条件は物理的に不自然である。そこで、粘性の大きい場合に成り立つStokes近似方程式に着目し、制約条件を付けずに、このような大域的弱解が存在することを証明し、さらに初期値が滑らかならばこの解も滑らか(古典解)になることを示した。証明では、流速の発散と圧力の差に対し強いアプリオリ評価が成り立つことを示し、それにより制約条件をはずすことに成功している。また、古典解を得るために熱方程式のシャープなアブリオリ評価を新たに導いたが、この評価は他の問題にも応用出来ると期待される。Commun.Partia1 DifferentiaI Equationsに掲載された。 Boltznmann方程式の周期解 音波の伝搬に関する研究は、これまですべて巨視的流体方程式に基づき行なわれて、気体の基礎的な運動方程式であるBoltzmann方程式に基づくものはなかった。本研究は、Boltzmann方程式の非線形波動についての初めての結果で、時間周期的な外部気体源をもつ場合の初期値問題および境界値が時間周期的に変動する場合の初期値境界値問題に対する時間的周期解の存在を証明したものである。証明には線形化方程式の解の減衰評価を用いる。研究集会「流体現象の数学解析」(1998年7月、京都大学)および「Joumee de la Theorie Kinetique」(1998年11月、Ecole Normale Superiure de Cachan,Paris)で講演。
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