研究分担者 |
平野 維倫 横浜国立大学, 工学研究科, 教授 (80134815)
高野 清治 横浜国立大学, 工学部, 教授 (90018060)
北田 秦彦 横浜国立大学, 工学部, 教授 (70016145)
塩路 直樹 横浜国立大学, 工学部, 助教授 (50215943)
今野 紀雄 横浜国立大学, 工学部, 助教授 (80205575)
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研究概要 |
本研究において以下の結果を得た。 非線形Boltzmann方程式: 1.Abstract Cauchy-Kowalewskayaの定理を用いたBoltzmann-Grad極限の存在証明および,同じ手法によるBoltzmann hierachyと巨視的流体方程式との漸近関係の確立. 2.離散速度Boltzmann方程式の進行波(衝撃波)解の存在証明と,半無限空間における定常境界値問題の可解性条件の確立.どちらもBoltzmann方程式と巨視的流体方程式にたいする初期値・境界値問題における漸近関係の研究の糸口となる結果と考えられる. 3.Boltzmann方程式の時間周期解の存在証明.この方程式の非線形波動についての初めての結果である. 巨視的流体方程式: 1.相対論的流体にたいするEuler方程式と対応する古典力学的方程式との漸近関係を確立.光速無限大の極限で,空間1次元の平坦なMinkowski時空の場合は前者の時間大域的弱解が後者のそれに時間大域的に強収束すること,空間3次元の曲がった時空の場合には滑らかな解が時間局所的に強収束することを示した. 2.強い粘性を持つ圧縮性流体の運動を記述するStoke近似方程式の時間大域的な弱解および古典解の存在証明.初期値の大きさは任意でよく,この方程式は強い非線形性を持つにもかかわらず,初期値はいくら大きくとも良いという強い結果である. 3.穴のある領域における熱対流方程式の定常解の存在証明.従来は結果では各境界上で流入量が零という物理的に不自然な仮定がおかれていたが,これを外すことに成功した.
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