研究課題/領域番号 |
09440053
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
一瀬 孝 金沢大学, 自然科学研究科, 教授 (20024044)
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研究分担者 |
谷島 賢二 東京大学, 数理科学研究科, 教授 (80011758)
田村 英男 岡山大学, 理学部, 教授 (30022734)
中尾 愼太郎 金沢大学, 理学部, 教授 (90030783)
田村 博志 金沢大学, 理学部, 助教授 (80188440)
高信 敏 金沢大学, 理学部, 助教授 (40197124)
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キーワード | 転送作用素 / カッツ作用素 / リー・トロッター(Lie-Trotter)積公式 / シュレーデンガー作用素 / 量子力学 |
研究概要 |
昨年度に続き、本研究はシュレーティンガー作用素との関連に注目しながら進めてきた。また、Lie-Trotter積公式に関連する結果も得られた。 1. 一瀬、田村英男は、一瀬・高信(Commun.Math.Phys.1997)がFeynman-Kac公式を用いる確率論的方法により得た結果を、J.Math.Soc.Japan 1998(この論文には百目鬼敦も加わる)、Asymptotic Analysis 1998の論文で、作用素論的方法により証明した。即ち、統計力学のカッツの格子模型に対する転送作用素と非相対論的シュレーティンガー半群との差の作用素ノルムを、小さい時間tの1より大きなベキで評価した。これらの結果の副産物として、シュレーティンガー作用素に対する作用素ノルム、トレースノルムでのLie-Trotter積公式がその誤差評価まで込めて得られた。 2. 一瀬、高信(Nagoya Math.J.1998)は、確率論的方法により、相対論的な場合にも1と類似の結果を証明した。更に、相対論的シュレーティンガー作用素を含むLevy過程に付随する作用素の場合に拡張した論文を準備中である。 3. 一瀬、田村英男(Osaka J.Math.1998)は、2つの正値自己共役作用素A、B(t)(一つが時間t依存)の和に対してA^α(0<α<1)の定義域がB(t)の定義域に含まれるとき、誤差評価まで込めた作用素ノルムでの指数積公式を証明した。 4. 田村博志は、伊東恵一と共に、Commum.Math.Physに出版予定の論文で、2次元O(N)スピンモデルの臨界温度の上からの(昨年得たもの)より良い評価を与えた。 5. 中尾慎太郎は、Young型積分の定義の拡張について研究し論文を準備中である。 6. 谷島賢二(AMS Contemporary Math.1998)は、時間依存シュレーティンガー方程式に対して、そのポテンシャルの遠方での増大度の条件とともに、その基本解の滑らかさと有界性に関する顕著な結果を得た。
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