ナビエ・ストークス方程式の適切性に関する研究

1998 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 09440056
• 研究機関: 名古屋大学
• 研究代表者: 小薗 英雄 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 助教授 (00195728)
• 研究分担者: 石毛 和弘 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 助教授 (90272020) ; 三宅 正武 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 教授 (70019496)
• キーワード: ナビエ・ストークス方程式 / 斉次ソボレク空間 / ストークス作用素 / L^r-空間 / 応力テンソル

研究概要

Navier-Stokes方程式の外部問題は、単に取り扱いが複雑であるというとには留まらず、解の無限遠方での漸近挙動の与え方により、方程式の適切性が内部問題あるいは全領域とは著しく異なるので大変興味深い結果がえられる。「境界で静止しかつ無限遠方で一定の速度で動くようなStokes方程式の解は存在しない」という有名なStokesのパラドックスはその典型である。同氏はこのパラドックスがStokes作用素A_rを一階の偏導関数がr-乗可積分(∇u∈L_r)であるhomogeneous Sobolev空間において考察し、その核(null space)が自明なものに限るか?という問題と同値であることを示し、2次元だけではなく高次元においても同様なパラドックスが成り立つことを証明した。この研究はNavier-Stokes方程式の外部問題を線形Stokes方程式の摂動として捉えることの限界を示している。実際、A_rが全単射(bijective)である必要十分条件は3次元外部領域の場合、3/2<r<3であることは特異な現象を生じることを明らかにした。より詳しくは次ぎの結果を示した。
∇u∈L^<3/2>なる解が存在するための必要十分条件は、領域Ωの境界Γによるnet forceがゼロ:
∫_Γ(T(u,p)+F)・vdS=0
である。ここにT(u,p)はStress tensor、div Fは外力、νはΓ上の単位外向き法線ベクトルを表す。

研究成果

• [文献書誌] KOZONO,H.,YAMAZAKI,M.: "Exterior Problem for the Navier-Stokes equations in the Loronts space" Mathematische Annalen. 310. 279-305 (1998)
• [文献書誌] KOZONO,H.,YAMAZAKI,M.: "On alarger class of Stalle Solutions to the Navier-Stokes equation in exclemum" Mathematische Zutschritt. 228. 751-785 (1998)
• [文献書誌] KOZONO,H.: "Remorable sinynlarity of weak solutions to the Navier-Stokes equations" Communications in Partial Differential Equetion. 23. 949-966 (1998)
• [文献書誌] KOZONO,H.: "L^1-solutions of the Navier-Stokes equations in exterior domains" Mathematische Annalen. 312. 319-340 (1998)
• [文献書誌] KOZONO,H.,Sohr,H.: "On global Strong Solution of the Navier-Stokes equations in 4 and 5 dimensional In hcocunclid domains" Ann.Inst.Henri Poincare,Analyse Nonlmaire. (発表予定).
• [文献書誌] KOZONO,H.,YAMAZAKI,M.: "Uniqueness critenen of weak Solutions to the Stationary Navier-Stokes equations in exterior domains" Nonlinear Analysis,TMA. (発表予定).
• [文献書誌] KOZONO,H.,Shibata,Y.: "Recent Topics on Mathematical Theory of Viscous Incom Flujd" 紀伊國屋書店, 270 (1998)