研究課題/領域番号 |
09440057
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
尾畑 伸明 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 助教授 (10169360)
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研究分担者 |
洞 彰人 岡山大学, 環境理工学部, 助教授 (10212200)
有光 敏彦 筑波大学, 物理学系, 助教授 (50134200)
南 和彦 名古屋大学, 大学院・多元数理化学研究科, 講師 (40271530)
青本 和彦 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 教授 (00011495)
ACCARDI Luig 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 教授 (80283464)
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キーワード | 量子ホワイトノイズ / ホワイトノイズ解析 / 無限次元解析 / ランダムウオ-ク / 量子系の確率極限 / 無限次元回転群 / 散逸量子系 / 量子確率過程 |
研究概要 |
1.量子確率過程の構造論 ホワイトノイズ超関数論から発展した作用素の一般展開定理によって、量子確率過程を構成する最も基本的なノイズは量子ホワイトノイズであることが明らかになった。これによって、適合過程の特微付けや量子マルチンゲ-ルの表現が得られ、ホワイトノイズによる確率積分によって従来の伊藤理論を拡張する方向を見出した。 2.量子確率微分方程式 ホワイトノイズ解析は、確率微分方程式を無限変数常微分方程式に変換することで、特異性の高い方程式を議論する枠組みを提供する。この観点は、量子論の確率極限理論の成果とも相まって、「量子確率微分方程式=正規順ホワイトノイズ方程式」を指導原理として理論を展開する妥当性を示す。特に、これまでの確率解析では極めて特異な対象であった高次ホワイトノイズを含む方程式に対して、解の一意存在が証明された。次の課題は、解の解析的な性質である。 3.量子確率解析の非線形拡張 高次ホワイトノイズが自然に理論に取り込まれたため、生成・消滅過程(1次ホワイトノイズ)とゲージ過程(特別な2次ホワイトノイズ)に関する演算規則を与えてきた従来の量子伊藤公式は拡張された。実際、この拡張は「くりこみ」をともなったものとなり、新しい展開を見せている。この方向で、ノイズヲ含む非線形方程式の解析を進め、量子系の散逸や非平衡系との関連を見直すことが目下の課題である。 4.無限次元調和解析への応用 超関数を用いた作用素論の直接の応用として、無限次元ラプラシアンと無限次元空間上の変換群との関連を研究している。特に、無限次元回転群に実現される一径数変換群の特徴付けについて研究を進めている。これによって、微分同相群のユニタリー表現とベクトル場のなすリー環の表現の指数写像との関係を確立することができる。
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