研究課題/領域番号 |
09440061
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研究機関 | 奈良女子大学 |
研究代表者 |
静田 靖 奈良女子大学, 理学部, 教授 (90027368)
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研究分担者 |
山本 真弓 (大野 真弓) 兵庫大学, 経済情報学科, 講師 (00271479)
篠田 正人 奈良女子大学, 理学部, 講師 (50271044)
柳沢 卓 奈良女子大学, 理学部, 助教授 (30192389)
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キーワード | 対称双曲系 / 特性的境界値問題 / 微分の損失 / MHDの方程式 / 正則性定理 |
研究概要 |
対称双曲系の特性的初期値境界値問題の解の正則性について、境界条件が特性的ではあるが、多重度は一定かつ極大非負であるという条件の下で、既に知られている一般的な正則性定理の精密化に成功した。従来よく言われてきた「解の法線方向の滑らかさの損失」であるが、その起こり方は個々の特性的初期値境界値問題によって必ずしも同じでなく、損失が大きい場合も小さい場合もあることは経験的に知られていた。これを理論的に分類する必要があることに気付いたのが本研究の出発点であった。微分の階数を表すmというパラメーターの他に、ν(ニュー)というパラメーターを導入し、(ν=0、1、2、…、m-1)、H^<m,ν>_*(Ω)というある種のソボルフ空間の中で、解を構成することが出来るのである。そして具体例として山本(大野)-白田によるMHDの線型化方程式に対する考察が、丁度ν=1の場合に相当することが分かる。 我々が得た結果を一言でいえば、「法線方向の微分の損失」が階層構造を持つことを数学的に示したものである。
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