研究課題/領域番号 |
09440064
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
金子 譲一 九州大学, 大学院・数理学研究科, 助教授 (10194911)
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研究分担者 |
前園 宜彦 九州大学, 経済学部, 助教授 (30173701)
木塚 崇 九州大学, 大学院・数理学研究科, 講師 (70186279)
宮脇 伊佐夫 九州大学, 大学院・数理学研究科, 教授 (40028254)
風間 英明 九州大学, 大学院・数理学研究科, 教授 (10037252)
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キーワード | Selberg型積分 / 変形Selberg型積分 / twisted cohomology群 / Gauss-Manin系 / 超平面配置 / Coxeter配置 / Baker-Forrester予想 / Jack多項式 |
研究概要 |
本年度は、(変型)Selberg型積分に付随するtwisted(co)homology群の構造および関連したGauss-Manin系について主に研究した。多項式のべき積の積分をtwisted homologyとtwisted cohomologyとのdual paringと考える立場からは、これらの空間の基底をできるだけ具体的に構成する事が最初に問題となる。我々は変型Selberg型積分の場合に、実際に基底を構成した。これらは、Falk-寺尾によるβ-nbc basisによる基底の一例にもなっている。また関連したGauss-Manin系も陽に計算した。これらの計算と平行して、Selberg型積分に関する青本の結果も我々の立場からの別証明が出来る。 β-nbc basisは一般の超平面配置について与えられているが、ファイバー型と呼ばれる特別な超平面配置(Selberg型積分に対応する超平面配置および殆どのCoxeter配置を含む)の場合にはβ-nbc basisが簡明な形で構成されることが示されている。我々は、変型Selberg型積分に対応する超平面配置を含むある種のipductiveな構造を持つ超平面配置の場合にも、やはりβ-nbc basisが簡明な形で構成されることを示した。一般に"変型"Coxeter配置とでも言うべきものをしかるべく定義しそのtwisted cohomology群の基底を構成し、Gauss-Manin系を計算することは今後の課題である(最近モスクワのChalykhによって関連した研究が始められている)。 本来のSelberg積分のある種の一般化が、やはりΓ関数の積で表示されるというBaker-Forresterの予想についても研究した。この問題をJack多項式の積分公式を使って、ある種のΓ関数の積の一次結合が再びΓ関数の積になることを示すという代数的問題に言い換えて部分的解答を与えた。
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