研究課題/領域番号 |
09440065
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
原岡 喜重 熊本大学, 理学部, 助教授 (30208665)
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研究分担者 |
大脇 信一 熊本大学, 理学部, 教授 (50040506)
河野 實彦 熊本大学, 理学部, 教授 (30027370)
木村 弘信 熊本大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (40161575)
上村 豊 東京水産大学, 水産学部, 助教授 (50134854)
高田 佳和 熊本大学, 理学部, 助教授 (70114098)
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キーワード | 超幾何関数 / 合流型超幾何関数 / 不確定特異性 / twisted homology / twisted cohomology / rigid local system / 超平面配置 / 振動積分 |
研究概要 |
本年度の研究実施計画では、不確定特異性を持つ局所系を係数とするホモロジー群・コホモロジー群の外積構造の解析を進め、ホモロジーとコホモロジーのペアリングにより得られる合流型超幾何関数の漸近挙動・大域挙動の解明に役立てることを挙げていた。 この方向については、純粋な漸近挙動を与える多次元サイクルを、外積を用いて1次元サイクルからどの様に構成するか、という問題に定式化されるが、この問題に関しては、具体例による実験、振動積分論・漸近解析学との関連の追及を継続中であり、新理論の構成には至っていない。 年度中に新しい発展の可能性が見えてきた。1次元空間上のrigidな局所系の研究が進み、rigidityと積分表示を持つことの同値性を示すことができた。このとき積分表示に付随する局所系は、退化した超平面配置で与えられる空間を定義空間とする。局所系が不確定特異性を持つ場合には、局所系の定義空間を与える超平面配置が一般の位置にある場合のみを扱ってきたが、rigidな局所系の積分表示を合流することで、退化した配置に対応する合流型超幾何関数を扱うことができるようになった。さらにこの方法を追求することで、積分表示に付随する局所系と、微分方程式が定める局所系との対応という、基本的で重要な問題の研究が進展すると考えられる。さらにまた、rigidな局所系の積分表示の構成の際に用いた微分方程式の拡大・縮小という概念を、合流型の場合にも拡張することは、非常に強力な解析手段を与えると思われる。
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