研究分担者 |
高橋 勝雄 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 助手 (90114529)
山田 道夫 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 教授 (90166736)
柳田 英二 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 助教授 (80174548)
二宮 広和 龍谷大学, 理工学部, 講師 (90251610)
溝口 紀子 東京学芸大学, 教育学部, 助教授 (00251570)
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研究概要 |
上記の課題に対して,今年度は主に以下のような研究成果を得た. (l)興奮-抑制系の一般化である歪勾配系に関する研究を行い,ある定常解がエネルギ一汎関数のmin一max点として特徴付けられる場合に,その定常解は他のパラメータにかかわらず,必ず安定となるという結果を得た.また,いわゆるチューリング不安定性との関わりについても明らかにした. (2)バクテリア(枯草菌)に見られる特徴的な空間パターンのモデルに対して数値シミュレーションを行い,このようなパターンがモデル方程式の解のヒストリーとして出現することを明らかにした. (3)非線形放物型方程式の有限時問で爆発するような解に対して,爆発点近傍での解の振る舞いについて,交点数減少の原理を用いて新しいタイプの挙動が現れることを示した. (4)数理生態学における主な問題の一つである2種競争系において,競争係数を無限大にしたときに得られる(特異極限)方程式が,ステファン型自由境界問題に帰着することを、数学的に厳密に正当化した。 (5)数理生物学における形態形成のモデルであるGierer-Meinhardt系に関し,スパイク状の定常解に対する数学的に厳密な安定性解析を行い,安定あるいは不安定であるための条件を明らかにした。
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