研究分担者 |
伊達山 正人 大阪市立大学, 理学部, 講師 (10163718)
藤井 準二 大阪市立大学, 理学部, 講師 (60117968)
佐官 謙一 大阪市立大学, 理学部, 助教授 (70110856)
今吉 洋一 大阪市立大学, 理学部, 教授 (30091656)
小松 孝 大阪市立大学, 理学部, 教授 (80047365)
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研究概要 |
混合的な重み付置換規制に対応するcolored tiling spaceΩを考える.このとき,Ωはコンパクトな距離付け可能空間で,加群RおよびΦ≠G⊂R_+を満たす閉乗法群Gが分配律を満たしつつ作用しており,さらに,Rの作用がstrictly ergodicとなっている.Ω上のR不変な唯一の確率ボレル測度をμとする.Ω上の0でない加法的コサイクルF(ω,t)でα次同次的なもの、すなわち、F(ω,t+s)=F(ω,t)+F(ω+t,s)かつF(λω,λt)=λ^αF(ω,t)が任意のw∈Ω,t,s∈R、λ∈Gに対して成立している連続なFはフラクタル概念の自然な拡張であり重要な意味をもつ.ここで,α∈Cとする.本研究では,このようなFを考察した.これは,0<Re(α)<1のとき,ペアノ型のフラクタル関数を与え,また,Re(α)<0のとき,ロジ型のフラクタルを与える.すなわち,前者の場合,連続であるがすべての点で微分不可能な関数で自己アファイン性をもつクラスとその上の力学系を定義する.後者の場合,空間Ωの整数部分上のコバウンダリィを与え,それらの結合がロジ・フラクタルと呼ばれるクラスのフラクタルを与えるのである.さらに,0<α<1のとき,確率空間(Ω,μ)上の定常でuniquely ergodicかつ0エントロピーの増分を持つ自己相似な確率過程となる.本研究ではさらに,このような確率過程の基礎的研究を行った.これらは弱混合的であり、α=1/2のとき、ルベ-ク・スペクトルをもっている.また,セミ・マルチンゲ-ルに対して成立すると類似の伊藤の公式が成立することもわかった.
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