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1998 年度 実績報告書

フラクタルと確率過程

研究課題

研究課題/領域番号 09440086
研究機関大阪市立大学

研究代表者

釜江 哲朗  大阪市立大学, 理学部, 教授 (80047258)

研究分担者 伊達山 正人  大阪市立大学, 理学部, 講師 (10163718)
藤井 準二  大阪市立大学, 理学部, 講師 (60117968)
佐官 謙一  大阪市立大学, 理学部, 助教授 (70110856)
今吉 洋一  大阪市立大学, 理学部, 教授 (30091656)
小松 孝  大阪市立大学, 理学部, 教授 (80047365)
キーワードフラクタル / 自己相似確率過程 / 0-エントロピー
研究概要

フラクタルとは、位相次元を超えるハウスドルフ次元をもった距離空間上の図形をいう.このような図形の中で、とくに、自己相似性と概周期性をもったものがよく研究されており、本研究でも主にこのようなものを考察する.このような対象は滑らかさを欠いており、このため、従来の解析学の枠外にあり、今なお、実りある成果は少ない.しかしながら、これらは、自然現象や社会現象の中に頻繁に見い出され、重要な研究対象となりうるものであり、応用も期待される.自己相似性は従来から、確率過程論やエルゴード理論の分野に自然な形で出現し研究されてきた.ブラウン運動は、その法則が1/2次の自己相似性をもった加法過程として特徴付けられる.また、エルゴード理論におけるある種の交換法則をみたす変換の組は、空間移動と自己相似変換の組の一般化と考えられ、その幾何的表現が結果として様々なフラクタル図形を作り出す.このような分野での従来からの研究も、フラクタルという観点から眺めると、新たな視野が開けてくる.
0-エントロピーの定常増分と1/2次の自己相似性をもつ唯一エルゴード的な確率過程の一つとして,本研究ではN-processとよばれるものを考察した.これは,従来知られていなかった決定論的な(deterministic)自己相似確率過程であり,無相関な増分をもち,ブラウン運動との類似性もある.その『微分』は,アルゴリスミックに生成できる『白色雑音』として利用できるだろう.この確率過程の様々な性質を導いた.とくに,過去のデータから如何にして未来を予測するかという問題にある程度の方向を見出した.これは例えば、位相が不明の異なる周期の様々な周期関数の和の時間的累積として表現されるような現象で、自己相似性をあわせもつものに対する確率過程としての定式化である.

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] T.Kamae: "Linear expansions,strictly ergodic homogencous cocycles and fractals" Israel J.Math.106. 313-337 (1998)

  • [文献書誌] M.Dateyama,T.Kamae: "On direct sum decomposition of integers and Y.Ito's conjecture" Tokyo J.Math.(to appear).

  • [文献書誌] S.Takahashi,J-M.Dumont T.Kamae: "Minimal cocycles with scaling property and substitution" Israel J.Math.95. 393-410 (1996)

  • [文献書誌] T.kamae,M.Keane: "A simple proof of the ratio ergodic theorem" Osaka J.Math.34. 653-657 (1997)

  • [文献書誌] S.Hiraba: "Asymptotic behavior of hitting rates for absorbing-" Osaka J.Math.34. 905-921 (1997)

  • [文献書誌] T.Kamae,Zhi-yin-Wen-Jun-ichi Tamura: "Hankel determinants for the Fibonacci word and Pade' approximation" Acta Arith.(to appear).

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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