研究分担者 |
柳田 英二 東京大学, 数理科学研究科, 助教授 (80174548)
天野 要 愛媛大学, 工学部, 教授 (80113512)
岡 宏枝 龍谷大学, 理工学部, 助教授 (20215221)
森田 善久 龍谷大学, 理工学部, 助教授 (10192783)
池田 勉 龍谷大学, 理工学部, 教授 (50151296)
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研究概要 |
研究代表者および分担者は本研究課題に関し,本年度は次のような成果を得た.研究内容は2つに大別される. 第1は、分担者の柳田英二および壁谷喜継と協力し,準線形楕円型方程式のひとつの典型である,m-ラプラシアンを主要部にもつ方程式の零点の個数が有限であるか無限であるかという研究をおこなった.零点の個数が有限であるための必要条件,無限であるための必要条件,およびsharpな十分条件を与えた.これは,解の形状の研究の基礎となるものである。 第2は,ポアソン方程式の代用電荷法を用いた数値解法に関するものである.ポアソン方程式の数値計算は最も基本的であると同時に,非線形楕円型方程式系の解の形状を数値計算を用いて調べる際に最も重要なものである.したがって,これまで実に多くの計算法が考案されてきた.代用電荷法とは,与えられた領域の外部に特異点をもつ,ラプラス方程式の基本解の重ね合わせよって,近似解を構成するもので,極めて単純な計算法でありながら,真の解に指数的に収束して行く個性的な計算法である. 研究代表者は,分担者の天野要,および,森下,小林,高市の協力を得て,代用電荷法を用いたポアソン方程式の解法を提案した.特殊解を対数ポテンシャルを用いて表し,ラプラス方程式に帰着し,得られた方程式を代用電荷法を用いて解く.非斉次項を与えられた領域を越えて適当な円盤領域までに拡張し,対数ポテンシャル特異点の周りで極座標変換し,最終的に直方形領域における特異性を持たない積分に帰着する.非斉次項を与えられた領域を越えて適当な円盤領域までに拡張するところがポイントである.これにより,計算スキームが著しく単純になると同時に,計算制度も著しく向上した.
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